ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

16世紀ネーデルラント絵画とその歴史的背景 『ブリューゲル「バベルの塔」展』行ってきました【感想】

バベルの塔展に行ってきました。 ベルギー奇想の系譜展に続いて、ネーデルラントづいている。 babel2017.jp 展覧会概要 ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」を中心に、ヒエロニムス・ボスの油彩、同時代の版画、彫刻などを集める。16世紀ネーデルラント…

お姉さん巫女綾子がポンコツかわいい 小野不由美『ゴーストハント2 人形の檻』感想

今回の表紙箔押しですね。変わった箔の押し方です。 あらすじ SPR(渋谷サイキックリサーチ)の渋谷一也(ナル)と麻衣は、依頼を受けて怪現象の起こる洋館へ向かう。そこで別のルートで依頼されていた綾子と法生と出会い、協力して調査を進めていく。

それぞれの決戦前夜に思うことは あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS10 銀刀出陣』感想

あらすじ カンパニーが特区を奪還する「Xデー」が近づく中、ミミコを中心とした人々は対応に追われる。一方、香港では血の気の多い吸血鬼が集まりつつあった。それぞれの最終決戦の前夜が過ぎていく……。

怖くておかしくて美しい短編小説をアンソロジーに 西崎憲編訳『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』感想

書籍概要 おどろおどろしく、怖くて、美しい。そんな怪奇小説の18編を、古典的なものから新感覚なものまで、一冊にまとめ翻訳したアンソロジー。

革命を起こした農場の動物たちがディストピアに陥る ジョージ・オーウェル『動物農場』感想

読みたいなあと思っていたけれど後回しにしていた本。原文の著作権は切れていたのか……。 「闇のどうぶつの森」のような作品でした。 あらすじ 農場主を追い出し、自分たちで農場を運営していくようになった動物たち。しかし農場のトップになったブタたちは、…

親友と先輩との美しい三角関係 『花とアリス』感想

これも『銀の森へ』に載っていた映画です。dtvにあってよかった。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 落語をやっている先輩に恋をした花。彼女は頭を打った先輩に「記憶喪失で自分が恋人だったことを忘れている」と嘘をついた。先輩をだますために、花は友…

おどろおどろしい話は面白いけれどとにかく長い 京極夏彦『姑獲鳥の夏 上』感想

Twitterでフォロワーさんのおすすめ小説として挙がっていたので読んでみました。 ときどき作風が似ていると言われるのだけど、私自身はあまり自覚がないです。 あらすじ 古本屋で拝み屋の京極堂と「私」は、20か月の間妊娠し続けている女性を調査すること…

スラヴ圏の吸血鬼、そしてそれにまつわる伝承を解説する 栗原成郎『スラヴ吸血鬼伝説考』感想

どこかで見た名前だと思ったら『ロシア異界幻想』を書いた方でした。あれも面白かったです。 書籍概要 死者が墓から起き上がり、血を吸うというスラヴ圏の吸血鬼。その伝承に関わる人狼、夢魔、死神などの魔物の考察や、フィクションにおける吸血鬼の扱いに…

映画研究部にやってきた男装少女と三角関係 大樹連司『ボンクラーズ、ドントクライ』感想

一巻完結のライトノベルのおすすめに上がっていた作品です。 あらすじ 二人でヒーローごっこをしていた映画研究部の「僕」とカントク。そこに男装の少女桐香が現れたことから、映画研究部は変わっていく。三人の淡い恋の行方はいったいどうなるのか……。

とても論理的なホラーミステリ 小野不由美『ゴーストハント1 旧校舎怪談』感想

コミカライズが面白かったので読んでみようという本です。 あらすじ 旧校舎には幽霊が出るという噂があった。麻衣はそこでゴーストハントをするという少年に出会う。除霊は他の霊能力者を巻き込み、謎を増していく。はたして旧校舎の幽霊の正体とは……。