ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

メンタルヘルス

双極性障害の母を支えた著者と家族の物語―まりげ『700日間の絶望トンネル』

あらすじ・概要 別居している母が自殺未遂をしたという報告を受け、著者は混乱する。どうやら母は双極性障害だということがわかり、入院治療ののち、著者の近くで暮らすこととなった。しかし母親の躁うつの波に振り回され、著者は苦悩する。

自称HSPの人を狙うエセ科学や詐欺、カルト団体に警鐘を鳴らす―飯村周平『HSPブームの功罪を問う』

あらすじ・概要 一般的な人よりも敏感な人たちを指す、「High Sensitive Person」略してHSP。HSPという言葉で救われた人もいる一方で、発達障害の人への蔑視や、HSPを巡る怪しげなビジネスなど、よくない傾向も見られる。日本におけるHSP研究者である著者が…

アルコール依存症になったOLの妹との共依存と卒業―かどなしまる『人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話』

あらすじ・概要 社会人として事務の仕事をするも、職場の人間関係の悪さから、ストレスをため込んでいた著者。「お酒を飲んでから出勤すると平気」ということに気づき、飲酒をしてから仕事をするようになる。同居の双子の妹と諍い、家に帰れなくなっても、そ…

アルコール依存症の父親を愛したいor許せない?―菊池真理子『酔うと化け物になる父がつらい』

あらすじ・概要 宗教にハマった母と、毎回泥酔するほどお酒を飲んでしまう父。母は嫌がりながらも父と飲み仲間の世話をしていた。著者はそんな両親とともに生活していた。やがて母が自殺し、父の世話は著者と妹の仕事になる。アルコールに依存する父に振り回…

浅ましく愚かな「反面教師」としてのギャンブル依存症―井川意高『熔ける 大王製紙前会長井川意高の懺悔録』

あらすじ・概要 製紙会社の三代目として生まれ、社長として大王製紙に君臨してきた井川意高。彼はカジノに狂い、子会社のお金に手を付けて何十億円も浪費してきた。著者自身が自分の生い立ち、社長時代のこと、お金を使わせるカジノの巧妙な罠を振り返る。東…

HSPに関するよくある誤解を科学的知見から訂正し、エビデンスに基づいて語る―飯村周平『HSPの心理学 科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」』

あらすじ・概要 昨今話題になっている人より敏感な体質「HSP」。しかし科学的な知見や研究を置き去りに、都合よく使われている言葉でもある。HSPについて研究している著者が一般的に流布しているデマを訂正し、科学的にHSPを知る方法は何か、今自分の敏感さ…

不安障害になってしまった女性の闘病から完解まで―キム・イェジ『私、幸いなことに死にませんでした』

あらすじ・概要 人前で話すことにひどく緊張する、人付き合いが苦しい。病院に行くと不安障害と診断されたが、治療はうまくいかない。ときに自殺を考えた著者だったが、死にきれず治療を続けることを決意する。二度のカウンセリング、何度も挫折した薬物治療…

自分を受容することから成長は始まる―細川貂々・水島広子『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』

あらすじ・概要 イラストレーターとして、漫画家として、実績を重ねながら、暗い思考に支配され、ネガティブ思考クイーンとして生きて来た著者。ある日、精神科医、水島広子から会ってみたいと言われる。そこで話したのは、対人関係療法という生きづらさを解…

双極性障害の再発で睡眠障害になったので安眠のためにやってみたこと5つとその結果

双極性障害の再発で睡眠障害が発生し、なかなか寝付けない日が多かったです。 これを機会に睡眠を見直し、工夫を重ねてみました。 今日はそのためにやってみたことのまとめです。 エアコンをつけたまま寝る(夏場) 枕を変える 枕のひんやりパットを使う 音…

双極性障害の生活の悩みに質疑応答形式で答える―南中さくら『みんなの双極症 日常の悩みから最新知識まで』

あらすじ・概要 うつと躁の気分の波を繰り返し、生活に困難をきたす双極性障害(双極症)。最新の研究結果を踏まえ、薬の知識、生活や日常の悩み、恋愛や人間関係、逸脱行為への対処などを質疑応答形式で書く患者と家族のための本。

双極性障害のうつを再発して6時間勤務になったら生活が変わった話

双極性障害のうつを再発して三ヶ月休んだ 3月から5月までの3か月間、双極性障害のうつ期を再発して休職していました。 双極性障害は、気分の浮き沈みは多少はあれど、生活できる程度に収まっていたのであまり病気のことを気にしなくなっていたのですが、…

双極性障害を発見・治療・再発させないには―加藤忠史『双極性障害【第2版】―双極症Ⅰ型・Ⅱ型への対処と治療』

あらすじ・概要 活動的になる躁状態、意欲が低下しうつうつとするうつ状態を行き来し、生活に支障をきたす双極性障害。その発見、治療、維持療法はどのようなものなのか。双極性障害の患者や家族のために、使える薬剤や心理療法を解説する。

強迫性障害の著者は認知行動療法で治療に挑む―みやざき明日香『強迫性障害治療日記』

あらすじ・概要 何度も手を洗ってしまう、コンピューターウイルスが怖くてウイルススキャンを繰り返してしまう、鍵がかかっているか何度も確認してしまう……。強迫性障害ゆえの行動に悩まされてきた著者は、治療のため認知行動療法を受けることを決意。暴露療…

罪悪感や後悔を乗り越えるためにできるワーク―イルセ・サン『身勝手な世界に生きるまじめすぎる人たち』

あらすじ・概要 「あのときああすればよかった」「親に愛されなかった」「他人への罪悪感に囚われている」。どうにもならない事実に囚われ、罪悪感や後悔の中苦しんでいる人たちがいる。紙とペンさえあればできるワークを通し、罪悪感や後悔から抜け出すため…

神経症の夫と子育ての日々―大原由軌子『お父さんは神経症 大原さんちのムスコたち』

あらすじ・概要 数々の神経症を持ち、結婚したときにはほぼ無職。そんな大原家の夫は、第二子の誕生を迎えた。よりあわただしくなる家庭内で、また神経症の行動をしてしまい……。心の病を抱えながらもユーモアあふれる家庭を描いたコミックエッセイ。

強迫性障害の夫と漫画家の妻の山あり谷ありの生活―しらみずさだこ『うちのOCD(強迫性障害/強迫症)』

あらすじ・概要 漫画家を志す女性、しらみずさだこが出会った男性はOCD(強迫性障害)だった。ふたりは付き合い結婚するようになるが、だんだん彼の異質な行動が目立つようになる。著者は夫の脅迫的行動に振り回され疲れ果ててしまう。この生活の出口はどこ…

ギャンブルにはまる人々をどう救い、社会に戻していくか―田中紀子『ギャンブル依存症』

あらすじ・概要 日本の依存症者は20人にひとりと言われている。その中のひとつ、ギャンブル依存症はときに犯罪を引き起こし、子どもの教育に悪影響を与える危険なものだ。ギャンブル依存症の人々をいかにサポートし治療していくか、ギャンブル依存症の家庭で…

うつの再発をきっかけにTwitter依存を治そうという試み。使ったツールと経過について

Twitter依存を治そうと思ったきっかけ 前にも言いましたが、双極性障害のうつを再発し、今休職しています。 やることがなくてTwitterをだらだら見ていたのですが、ふと気づきました。「落ち込んでるときに他人の炎上案件やつらいニュースを読んでいる場合じ…

睡眠障害に悩まされ続けた著者の、眠るための努力―ひろのはこ『安眠したい!!』

あらすじ・概要 幼いころから睡眠障害に悩まされてきた著者。睡眠障害と生きた人生のあらましから、病気や薬と睡眠の関係、著者なりの安眠法、などを描くコミックエッセイ。

双極性障害のうつをぶりかえしてしまったので回復までの気晴らしに見たもの集 その1

私は双極性障害です。寛解とまではいかなくても働けるくらいには安定していたんですけど、コロナ禍と仕事の忙しさで地味にストレスがたまっていたらしく、ウクライナ危機の残酷なニュースが追い打ちをかけて久しぶりにうつ転しちゃいました。 今は一旦休職し…

訪問看護師は精神疾患の人々を訪ね手助けをする―のまり『おとずれナース~精神科訪問看護とこころの記憶~』

あらすじ・概要 著者は精神科訪問看護の仕事をしている。精神疾患を持つ人々の家を訪ね、薬の管理をしたり相談に乗ったり、状況に応じて使えるサービスを紹介する仕事だ。彼女が出会うのは、さまざまな事情を抱えた患者たちだった。著者の経験をもとに、改変…

精神疾患をテーマにしたコミックエッセイおすすめ10選

自分が精神疾患持ちなのもあり、精神疾患をテーマにしたコミックエッセイは、見かけたらなるべく読むようにしています。今回は、その中からおすすめのものをまとめてみました。 神様の命令に従っていたら病気になっていた『高校生のわたしが精神科病院に入り…

生きづらさに悩まされていた漫画家が当事者研究を見学した結果―細川貂々『生きづらいでしたか? 私の苦労と向き合う当事者研究入門』

あらすじ・概要 親に抑圧的に育てられ、「ネガティブ思考クイーン」として生きて来た著者。ある人物の勧めから当事者研究について体験することに。そこは、苦労や弱さをそのままの形で語り合う場所だった。当事者研究を実践する人たちを見、そこから己の生き…

不安障害の漫画家が彼氏とともに夜の街を歩く―木村いこ『夜さんぽ』

あらすじ・概要 不安障害になってしまった漫画家でイラストレーターの「いこまん」は、同居人であり恋人である「トリさん」と夜の散歩を始める。暗い夜道の中、何かを見つけたり、コンビニや食堂に寄ったり……。病による不安とともに、夜の世界を彷徨するコミ…

ゲーム会社のデザイナーの男性がうつになって復職するまで―ミヨシ『ぼくのうつやすみ 『うつ』になったけど帰ってこれました』

あらすじ・概要 憧れのゲーム会社にデザイナーとして入社したものの、忙しさや仕事のストレスからうつを発症してしまった著者。休職して家にいる間、無気力になったり自分を責めたりする。しかしうつをきっかけに少しずつ考え方が変わり、社会人としての生き…

双極性障害の著者は死なないために死にたい気持ちと共存を試みる―ひろのはこ『となりの希死念慮さん 死にたい気持ちと付き合う』

あらすじ・概要 双極性障害を患っている著者は、昔から「死にたい」という考えに取り憑かれていた。しかし、周囲の支えてくれた人たちのためには死にたくない。「死にたい」から「死なない」ために、己の中の希死念慮と語らい和解を試みる日々が始まった。文…

高校生が神様の言うことを聞いていたら強迫神経症と摂食障害になった―もつお『高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで』

あらすじ・概要 ごく普通の高校生の著者は、ある日神様の声が聞こえるようになった。神様の「〇〇を触れ」という命令に従うと、心が安らかになる。しかしそれに従っているうちに、どんどん命令は増え、食事まで禁止されてしまう。著者はどんどんやせ細り、家…

虐待されていた著者が、自らの息子を虐待しないためにニャンちゅうになりきる―あらいぴろよ『ワタシはぜったい虐待しませんからね!』

あらすじ・概要 父親に虐待されて育った著者は、結婚して息子を産んだ。過去のトラウマから決して虐待しないと誓うも、思い通りにならない育児に疲弊していき、ついに手を上げかけてしまう。このままではいけないと、育児のイライラをコントロールするために…

強迫神経症になって自分が信じられなくなった人の絶望とその治療―菊晴『几帳面だと思っていたら心の病気になっていました』

あらすじ・概要 几帳面で心配性だった著者。しかし鍵や火元の確認、手洗いなどを妄執的にやってしまうようになった。不安が過ぎてひきこもってしまった著者は、心療内科を受診する。そこで得た診断は「強迫神経症」だった。著者は病気を克服するためいろいろ…

毒家族と暮らしていた女の子が、家を出て自分の世界を見つけるまで―原わた『ゆがみちゃん 毒家族からの脱出コミックエッセイ』

あらすじ・概要 毒家族の家庭に育った著者は自分自身を「ゆがみちゃん」というキャラクターに投影し、漫画として過去をつづる。父、母、祖母にゆがみは暴言を吐かれ続けていた。さらに男尊女卑の家庭で男子である兄は不合理にえこひいきされている。家族を嫌…