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ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

仮装人格が不治の病の科学者のために物語を作る 長谷敏司『あなたのための物語』感想

このところ、読むのがつらい話が続いています。狙ったわけではないんですが。 これは『バーナード嬢曰く。』の3巻で紹介されていた本です。 バーナード嬢曰く。: 3 (REXコミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 一迅社 発売日: 2016/10/27 メディア:…

自らの病を知らなければ前に進めない 松尾スズキ『クワイエットルームにようこそ』感想

映画は見ていたけれど、原作は読んでいなかったので手に取ってみました。 改めて読むとやっぱりやばい話だった。 あらすじ オーバードーズで精神病院の隔離病棟に運ばれた「私」。多種多様な問題を抱える女性たちとかかわりながら、なんとか早く脱出しようと…

テーマはベタでもまじめに書き直せば面白い 鮎川歩『ユメオチル、アリス』感想

夢を覚えていられないタイプで、だいたい起きたら忘れます。「何か変な夢を見た」ということだけ覚えているという。 あらすじ 叔父から虐待を受けている少年、有栖(アリス)。彼は夢の中で不思議な少女ルルディに出会います。なんでも夢の中で実現できる「…

惚れた女のためにあゆみは走る 新井素子『星へ行く船シリーズ2 通りすがりのレイディ』感想

前の巻でも思ったんですが、この表紙は何で描いているのでしょうか……アナログ絵の具?デジタル? ちょっと調べてみると装画はこの方のようです。 twitter.comが、ほかの絵を見ても画材はよくわかりませんでした。 あらすじ あゆみがすれ違った、殺し屋に狙わ…

三角関係への飽くなきこだわりを感じる 小西明日翔『春の呪い』感想

Twitterのお友達がおすすめしていたので読んでみました。 2巻完結という短さもよし。 あらすじ 春が死んだ。夏美は妹の婚約者、冬吾と交際を始めます。条件は「春と行った場所を巡ること」。夏美の妹への執着、冬吾の恋心と罪悪感。思いはこじれにこじれ続…

ロシアをさまよう漂流民たちに感情移入 井上靖『おろしや国酔夢譚』感想

読みたいと思っていたんですが、後回しになっていてやっと読めました! ロシアの殺し屋恐ろしや。 あらすじ 船旅のうちに遭難し、ロシア領の離島にたどり着いた伊勢出身の船乗りたち。彼らはロシアの街を転々としながら、帰国の方法を探ります。過酷な異国の…

べたべたな序盤から、ドライなラストに至る 『はじまりのうた BEGIN AGAIN』感想

これもdtvで評価が高かったので見ました。 しかしdtvの星機能、コメントがつけられないので「どこがよかったのか」がさっぱりわかりません。何かしら面白いところがわかる内容だったらいいんですけど。 映画『はじまりのうた』予告編 あらすじ 会社をクビに…

もしも日本に陪審員制度があったら 『12人の優しい日本人』感想

この作品が出たときには、裁判員裁判はまだ始まっていなかったんですが、今見てみると、予言みたいに感じてしまいますね。 事実がフィクションに追いついている。 あらすじ 陪審員制度のあるIF世界の日本。殺人事件に関して12人全員無罪の評決をしますが、…

ひねくれものの少年は口先だけで王様を目指す 秋目人『騙王』感想

読みは「かたりおう」です。 振り仮名がなければ一発で読めないですね……。 あらすじ 妾腹の王子、フィッツラルド。彼は王になるべく商人、姫君、敵国の将軍と口先三寸で戦います。王になりたい彼の出生の秘密とは。そして王は誰を世継ぎに選ぶのでしょうか。

80分で記憶を失う博士とシングルマザーの交流 小川洋子『博士の愛した数式』感想

有名だけれど実は読んだことのなかった作品です。 これもまたベストセラーを時間をおいて読んでしまう習慣のせい。 あらすじ 家政婦として生計を立てるシングルマザーの「私」は、80分しか記憶の持たない「博士」の家へ派遣されます。子どものように偏屈で…

『ユーリ!!!on ICE』は腐向けアニメなのか 10話までの感想

このところ ユーリ!!!on ICE を見てました。 結論から言うと、YOIは腐女子向けアニメだと思います。 いや、同人文化がさまざまなところに波及している現在、意識していないわけではないでしょう……。まあ確定的なことは言ってないので推測にすぎないけれど。 …

幸せに生きることこそ戦いだ 『この世界の片隅に』感想

『この世界の片隅に』を見てきました。戦争映画だからか、来てる人の年齢層が高かったです。これからアニメ好きの人に限らず、戦争を知りたいと思っているいろんな世代の人に流行りそうですね。 語っていたらネタバレも含んでしまったのでご注意ください。 …

祝・ベイマックス地上波登場 おすすめポイント5つを語ってみた

ベイマックス地上波放映決定おめでとう! www.oricon.co.jp せっかくなのでいろんな人にこの映画を見てもらいたいと思い、おすすめポイントを書いてみることにしました。 できるだけネタバレをしないように努めましたが、熱く語った結果ネタばれてしまった部…

新しい人生にこんにちは 河野裕『ベイビー、グッドモーニング』感想

死神と聞いて一番最初に思い出す作品はBREACHです。でも最終話はまだ読んでません。 『ベイビー、グッドモーニング』を読みました。 ベイビー、グッドモーニング<ベイビー、グッドモーニング> (角川スニーカー文庫) 作者: 河野裕 出版社/メーカー: KADOKAWA …

これが僕たちのピングドラム 幾原邦彦・高橋慶 『輪るピングドラム 下』感想

運命の人、という言葉はなかなか現実には出会わないけれど、フィクションで見るとやっぱりいいなあ、と思ってしまいますね。 『輪るピングドラム 下』を読みました。 輪るピングドラム 下 作者: 幾原邦彦,高橋慶,星野リリィ 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日:…

江戸末期の嫁姑バトル 宮尾登美子『天璋院篤姫 下』感想

『天璋院篤姫 下』を読みました。 歴史ものは読むのに時間がかかる……。でも心に残る本でした。 新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫) 作者: 宮尾登美子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/03/15 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 28回 この商品を含む…

将軍の正室となって国を動かせ 宮尾登美子『天璋院篤姫 上』感想

世界史は好きなんですが日本史には苦手意識があります。 そんな私が『天璋院篤姫』を読みました。あまり日本史はよくわかってないのでそういう人の感想としてお読みください。 新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫) 作者: 宮尾登美子 出版社/メーカー: 講談社…

ピアノ曲をめぐる短編集 森絵都『アーモンド入りチョコレートのワルツ』感想

一時期ピアノに関する小説を探してたんですけど、この作品を早く読めばよかったです。 『アーモンド入りチョコレートのワルツ』を読みました。 アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫) 作者: 森絵都 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2005/06/25 …

政治家、ゴジラという災害に立ち向かう 『シン・ゴジラ』感想

混むのが嫌だから流行っている映画は落ち着いてから見てしまいます。 そんなわけで今『シンゴジラ』を見に行ってきました。 周りに一人映画館のお兄さんばっかりで逆に気楽でした。私も一人映画だから……。 『シン・ゴジラ』予告2 あらすじ 東京湾に現れた謎…

原作の雰囲気を踏襲したノベライズ 幾原邦彦・高橋慶『輪るピングドラム 上』感想

『輪るピングドラム 上』を読みました。 原作のアニメを見たのはずいぶん前なんですが、ファンの間で評価が高いノベライズと聞いて手に取ってみました。 輪るピングドラム 上 作者: 幾原邦彦,高橋慶 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2011/07/04 メディア: …

彼はなぜ金閣寺を燃やしたのか 三島由紀夫『金閣寺』感想

『金閣寺』を読みました。 思えば三島由紀夫は読んだことがなかったなあと思って有名な作品をチョイス。新潮文庫の100冊 2016に入っていたのもあります。 金閣寺 (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/05 メディア: 文庫 購入:…

エリザベスVS無敵艦隊 『エリザベス ゴールデンエイジ』感想

『エリザベス ゴールデンエイジ』を見ました。 映画 『エリザベス:ゴルデン・エイジ』 予告編 あらすじ 処女王、エリザベスのもとで統治されているイギリス。子どものいないエリザベスに変わり、メアリ・スチュワートを女王にしようという動きが出てきます…

棄てられた女の一生 遠藤周作『わたしが・棄てた・女』感想

『わたしが・棄てた・女』を読みました。 遠藤周作は最近の文学者では好きな人です。 わたしが棄てた女 (講談社文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1972/12/15 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 70回 この商品を含むブログ (66件) を…

優しい家族の愛のお話 小路幸也『東京バンドワゴン』感想

『東京バンドワゴン』を読みました。 読みたかったけれど後回しになってた一冊です。 東京バンドワゴン (1) (集英社文庫) 作者: 小路幸也 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2008/04/18 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 37回 この商品を含むブログ (108件…

辞書を作るって大変なんです 『舟を編む』感想

『舟を編む』を見ました。 原作は未読です。 映画『舟を編む』予告編 あらすじ ある日、辞書編集部にスカウトされた、出版社に勤める馬締(まじめ)。彼は持ち前の言語学の能力を生かせる辞書の編集に夢中になっていきます。しかし時代が変わっていくにつれ…

人がゴミのように死ぬ時代 『シンドラーのリスト』感想

『シンドラーのリスト』を見ました。ずっと見たかったんですけど機会がなくて(主にレンタルショップで出会えなかった)dtvで再配信されたのを「チャンス!」と思って見ました。 シンドラーのリスト スペシャル・エディション [DVD] 出版社/メーカー: ジェネ…

あの世へと向かう緑の道 『グリーンマイル』感想

『グリーンマイル』を見ました。 前に小説で読もうとしたけど、そのとき忙しくて中途半端になってしまい、dtvで映画を見ることにしました。 The green Mile (HQ-Trailer-1999) あらすじ 年老いた元刑務官が語り出す。殺人とレイプの罪で死刑囚となった男、ジ…