ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

『震災トラウマと復興ストレス』宮地尚子 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 東日本大震災によって、被災者は多くのトラウマを受けた。そして、被災者だけではなく、医療従事者や自衛隊、被災者を助ける慈善団体、直接被害を受けなかった人たちも……。災害のトラウマを大きな枠組みで見直し、社会が災害のトラウマと付き…

『公爵令嬢ティアレシアの復讐』奏舞音 ビーズログ文庫 全2巻 感想

あらすじ・概要 姉に陥れられて処刑されたクリスティアンは公爵令嬢ティアレシアとして転生する。悪魔ルディとともに、姉に復讐するため奔走する。意地悪な姉は、ティアレシアも攻撃してきて……。転生政争ファンタジー。 テンポの速い転生ファンタジーでモラ…

『蒼穹のカルマ』橘公司 富士見ファンタジア文庫 全8巻 感想

あらすじ・概要 空飛ぶモンスター空獣を狩る駆真(かるま)は、姪にはデロデロになるほど甘い。駆真が愛する在紗を巡って、異世界を冒険したり学園に潜入したり、ドタバタ劇を繰り広げるトンチキコメディ。 愛が重いけど愛が深い百合SF 姪にはポンコツになる…

『ライティング管理がはかどる本』Tiana 技術の泉シリーズ 感想

あらすじ・概要 文章系同人誌を作るのに必須なライティングの技術。どうやってネタ出しをし、文章の構成を考え、進捗を管理するか……。技術同人誌を出して来た著者が、書きたいものを書き切る技術を語る。 初心者におすすめのまとまった内容がいい 3万字程度…

グラレコの本2冊読んだよ グラフィックレコーディングの重要性と課題

文章を書く上で図解を描く必要があったので、グラレコの本を2冊読みました。 自分で感想を見返すときもまとめて見るだろうので、感想を2冊同時に書きます。 『その場で「聞く・まとめる・描く」 グラレコの基本』本園大介 表情についての記述が多く、面白か…

『イスラームからヨーロッパをみる 社会の深層で何が起きているのか』内藤正典 岩波新書 感想

あらすじ・概要 今、ヨーロッパでイスラーム教徒排斥の渦が巻き起こっている。ヨーロッパはなぜイスラームとの共生に失敗したか、イスラーム教徒の出身国では何が起こっているのか。ヨーロッパに偏った報道を批判しつつ、ヨーロッパとの軋轢を目の前にしたイ…

『終わりなきアスベスト災害 地震大国日本への警告』宮本憲一・森永謙二・石原一彦編集 感想

あらすじ・概要 強い健康被害をもたらす鉱物、アスベスト。しかしその便利さから、危険性が判明した後も使用され続けてきた。神戸における阪神・淡路大震災にともなうアスベスト被害を中心に、アスベスト災害への反省とこれからすべきことを考える。 アスベ…

『気候崩壊 次世代とともに考える』宇佐美誠 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 危機的状況にある気候崩壊。その原因である地球温暖化についての解説と、これから社会が何をすべきかを語っていく。高校生たちからの質問も交え、世代を超えた環境問題についての議論を試みる。 先進国が輩出した温室効果ガスの影響を発展途…

『キャッシュ・フォー・ワーク 震災復興の新しいしくみ』永松慎吾 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 災害のとき、どのようにして被災者を助けるべきか……。著者が紹介するのはキャッシュ・フォー・ワークと呼ばれる概念だ。被災者に復興のための作業をしてもらい、給料を発生させることによって被災者を支える。その歴史や東日本大震災での実践…

『はじめて学ぶ生命倫理 「いのち」は誰が決めるのか』小林亜津子 ちくまプリマ―新書

あらすじ・概要 安楽死は許されるか、子どもの自己決定権はどこまで存在するのか、精子バンクから生まれた人たちが親を知る権利は……。テクノロジーの進歩によって、多様性によって生命倫理の問題に直面する医療従事者たち。現代の医療が抱える生命倫理の問題…

【笑える・面白い】コメディライトノベルのおすすめ15選

コメディジャンルについての記事は人気があるので、他の媒体もまとめることにしました。 今回はライトノベル編です。ライトノベルかどうかは、基本的にレーベルで判断しています。 書影をクリックするとAmazonに飛べます。 ビーズログ文庫 『神抱く凪の姫』…

『三宅島島民たちの一年』三谷彰 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 2000年6月に噴火した三宅島。住民たちは、どのようにして全島避難に至ったのか。噴火直後の混乱や、行政の不手際、住民同士の反発、そして避難後の生活をコンパクトにまとめる。ケアワーカーの人が三宅島噴火の姿を描く。 近いようで遠い、東…

『王様のプロポーズ4 黄金の巫女』橘公司 富士見ファンタジア文庫 感想

あらすじ・概要 <庭園>の教師、アンヴィエットの前に娘を名乗る謎の女の子、ニーリヤが現れる。アンヴィエットは隠し子の疑惑を否定するが、何だかんだニーリヤの面倒を見てしまうようだ。やがてニーリヤは、アンヴィエットの妻の死に関わっていると判明する…

『砂糖の世界史』川北稔 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 お菓子にやコーヒー、紅茶に甘味を加えるために使われている砂糖。その歴史は、植民地支配と深く関わっていた。砂糖をめぐる欧州の国々と植民地の関係、そして、コーヒー、紅茶、チョコレートという他の商品作物との関係を説明する。 砂糖が…

『被災地・神戸に生きる人びと 相談室から見た七年間』牧秀一 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 阪神大震災から七年後、相談室で被災者が語ったことを元に、復興と被災者の心について振り返る。人間関係のこと、住まいのこと、町並みや仕事のこと……。被災者のリアルを描く本。 7年後の神戸のリアルに考えさせられる あえて悪いことを書い…

『日の鳥』こうの史代 日本文芸社  全2巻 感想

あらすじ・概要 妻を探している雄のニワトリは、東日本大震災以後の東北を旅する。震災の遺構、東北の町、雄大な大自然など、ニワトリはさまざまなところをめぐる。被災地を描くスケッチ集。 東日本大震災後の東北を描いたスケッチが美しい 風景画が抜群にう…

『Instagram 基本+活用ワザ できるfitシリーズ』 いしたに まさき ・田口 和裕 インプレス 感想

あらすじ・概要 画像投稿を主とするSNSInstagram。その機能を基本的な部分から解説。投稿のことから、閲覧、セキュリティの問題など、Instagramでできること、設定できることを教えてくれる本。 意外と何でもできるInstagramというサービスが面白い 最近Inst…

『神戸 難民日誌』津村喬 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 神戸の埋め立て地、ポートアイランドに暮らしていた著者は、阪神大震災を経験する。当時の神戸の雰囲気、人々の姿を文筆家の立場から語る。被災者から見た、震災後の神戸の希望とは。 良くも悪くも当時の文章、とある文筆家の日記 良いところ…

『イラクの戦場で学んだこと』岸谷美穂 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 紛争地帯の人々を支援するNGOで働く著者は、20代にしてイラクの紛争地域に行き、現地チームのリーダーとなる。現地スタッフとのコミュニケーションに悩み、政治のごたごたに巻き込まれ、戦争や治安悪化により自らの命もあやうくなる。 紛争地…

『noteではじめる新しいアウトプットの教室 楽しく続けるクリエイター生活』コグレマサト・まつゆう インプレス 感想

あらすじ・概要 クリエイター向けの投稿サイト、note。その基本的な使い方から、応用編、実際にnoteを使っているクリエイターへのインタビューを掲載。noteとはどんなサービスなのかわかる本。 noteの使い方とインタビューが興味深い すでに知っていることで…

『騎士団長アルスルと翼の王』鈴森琴 創元推理文庫 感想

あらすじ・概要 皇女アルスルは、ワシ人外がはびこる空域に向かう。そこではヴィクトリアという老女が指揮を取っていた。そして、アルスルと同じく人外スコアを持つ男スロースとも出会う。神の使いとも見なされるワシ人外との戦いが始まった。 バトルファン…

『ミモザの告白4』八目迷 ガガガ文庫 感想

あらすじ・概要 「女の子として生きることにした」汐。しかし、汐の家庭は複雑な事情を抱えていた。汐の妹、操の視点から語られる、家族の過去とは。そして、汐と友人として接してきた咲馬も、これからの汐との関係を考えることになる。 汐と操の家族事情に…

『災害支援に女性の視点を!』竹信三恵子・赤石千衣子編 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 東日本大震災の被災地で、女性はどう暮らし、どんな困難に直面したのか。実際のトラブル、問題を取り上げ、被災地の女性にどのような助けが必要か考える。女性の問題から、災害弱者の問題も見えてくる。 困難が多い女性の避難所生活が悲しい …

『国境なき医師が行く』久留宮隆 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 国境なき医師団に参加することを決めた日本人医師は、内戦続きで疲弊したリベリアへ派遣された。派遣先での人間関係や、多忙な日々に悩みながらも、リベリアの人たちを手術する。国境なき医師団は現地でいったいどういうことをしているのかわ…

『書いた同人小説を売りたいのでいろいろやってみた!』倉くらの KDP 感想

あらすじ・概要 一次創作の同人小説を電子書籍で販売している著者。どうせ売るからには、たくさんの人に買ってもらいたい。著者が行った販促活動の結果や、投稿サイトによる傾向をまとめたエッセイ。 電子書籍で同人小説を売りたい女性の試行錯誤が面白い 前…

他人の人生を垣間見る、ジャンル別!エッセイ本のおすすめ20選

コミックエッセイのまとめはときどき書いていますが、文字のエッセイのまとめは最近書いていないな……と思い書きました。 書影をクリックするとAmazonリンクへ飛びます。 異文化 『JK、インドで常識ぶっ壊される』熊谷はるか 『「国語」から旅立って』温又柔 …

『フィンスタニス統治記シリーズ』くりたかのこ ビーズログ文庫 全3巻 感想

あらすじ・概要 フィンスタニスという見捨てられた土地を統治することになったルノアリア。そこでクレイルという亜精霊の青年と出会う。亜精霊は、精霊の血を引く人間のこと。魔物や精霊が存在するフィンスタニスで、ルノアリアは悩み葛藤しながら成長してい…

『性暴力対策ガイドブック』一般社団法人人権問題研究協議会 感想

あらすじ・概要 性暴力の恐ろしさは女性や子供だけではなく、男性の領域にも及ぶ。性暴力で起こりがちな問題をケースごとにQ&A形式でで語る。もし身近な人が性暴力を受けていたら、そして身近な人が性暴力の加害者になったら、自分はどのように行動するべき…

『心の傷を癒すということ』安克昌 角川ソフィア文庫 感想

あらすじ・概要 阪神大震災を経験した精神科医、安克昌。彼は阪神大震災とメンタルヘルスの問題について語る。災害直後の人々の精神状態から、精神疾患の人たちの病状悪化や苦悩、復興期に取り残される人たちのことなど、経験者ならではの視点で表現する。災…

『トロピカル性転換ツアー』能町みね子 文春文庫 感想

あらすじ・概要 性同一性障害を抱える著者は、タイで性別適合手術を受けることとなる。タイにおける入院生活や、体の変化、性別適合手術の独特の事情など、笑いを交えて発信する。当事者によるエッセイ体験記。 タイに性別適合手術をしに行く 面白おかしく書…