ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

森絵都

【熱中することを描く、直木賞受賞作】森絵都『風に舞いあがるビニールシート』感想

あらすじ・概要 パティシエのお菓子に惚れ込んでいる人、水商売で働いてでも保護犬活動にのめり込む人、仏像に強い執着を持つ人。人には理解されないものに、夢中になる人たちがいる。ひとつひとつは独立した短編だが、共通して何かが好きという感情に狂わさ…

マラソンの描写の薄さと説教臭いせりふにうんざり―森絵都『ラン』

あらすじ・概要 家族を亡くし、育ててくれた親戚とも死に別れた環は、虚無的な生活を送っていた。ある日不思議な自転車によって死後の世界にたどり着き、そこで死んだ家族と出会う。環は頻繁に死後の世界に行くが、やがて自転車を元の持ち主へ返さなければい…

自殺した少年の体の中に入り、その家族と向き合いながら己の罪を思い出す―『カラフル』森絵都

あらすじ・概要 罪を犯して死んだ「ぼく」は、プラプラという天使から再チャレンジの機会を案内された。次の人生に転生するには、自殺をした真という少年の身体にホームステイして自らの罪について思い出さなければいけないと言う。「ぼく」は真として生活す…

助っ人少女がミュージカルの舞台に挑む 森絵都『無限大ガール』感想

AmazonKindleで売っている短編、Kindle Singleの本です。 あらすじ こうと決めたら猪突猛進! 眩しいぐらいまっすぐな高校生女子が大活躍する、爽やかで甘酸っぱい青春小説の短編。高校二年生の相川早奈(あいかわ・さな)は「日替わりハケン部員」。きょう…

ピアノ曲をめぐる短編集 森絵都『アーモンド入りチョコレートのワルツ』感想

一時期ピアノに関する小説を探してたんですけど、この作品を早く読めばよかったです。 『アーモンド入りチョコレートのワルツ』を読みました。 アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫) 作者: 森絵都 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2005/06/25 …