ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

読書感想

『砂糖の世界史』川北稔 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 お菓子にやコーヒー、紅茶に甘味を加えるために使われている砂糖。その歴史は、植民地支配と深く関わっていた。砂糖をめぐる欧州の国々と植民地の関係、そして、コーヒー、紅茶、チョコレートという他の商品作物との関係を説明する。 砂糖が…

『被災地・神戸に生きる人びと 相談室から見た七年間』牧秀一 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 阪神大震災から七年後、相談室で被災者が語ったことを元に、復興と被災者の心について振り返る。人間関係のこと、住まいのこと、町並みや仕事のこと……。被災者のリアルを描く本。 7年後の神戸のリアルに考えさせられる あえて悪いことを書い…

『日の鳥』こうの史代 日本文芸社  全2巻 感想

あらすじ・概要 妻を探している雄のニワトリは、東日本大震災以後の東北を旅する。震災の遺構、東北の町、雄大な大自然など、ニワトリはさまざまなところをめぐる。被災地を描くスケッチ集。 東日本大震災後の東北を描いたスケッチが美しい 風景画が抜群にう…

『Instagram 基本+活用ワザ できるfitシリーズ』 いしたに まさき ・田口 和裕 インプレス 感想

あらすじ・概要 画像投稿を主とするSNSInstagram。その機能を基本的な部分から解説。投稿のことから、閲覧、セキュリティの問題など、Instagramでできること、設定できることを教えてくれる本。 意外と何でもできるInstagramというサービスが面白い 最近Inst…

『神戸 難民日誌』津村喬 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 神戸の埋め立て地、ポートアイランドに暮らしていた著者は、阪神大震災を経験する。当時の神戸の雰囲気、人々の姿を文筆家の立場から語る。被災者から見た、震災後の神戸の希望とは。 良くも悪くも当時の文章、とある文筆家の日記 良いところ…

『イラクの戦場で学んだこと』岸谷美穂 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 紛争地帯の人々を支援するNGOで働く著者は、20代にしてイラクの紛争地域に行き、現地チームのリーダーとなる。現地スタッフとのコミュニケーションに悩み、政治のごたごたに巻き込まれ、戦争や治安悪化により自らの命もあやうくなる。 紛争地…

『noteではじめる新しいアウトプットの教室 楽しく続けるクリエイター生活』コグレマサト・まつゆう インプレス 感想

あらすじ・概要 クリエイター向けの投稿サイト、note。その基本的な使い方から、応用編、実際にnoteを使っているクリエイターへのインタビューを掲載。noteとはどんなサービスなのかわかる本。 noteの使い方とインタビューが興味深い すでに知っていることで…

『騎士団長アルスルと翼の王』鈴森琴 創元推理文庫 感想

あらすじ・概要 皇女アルスルは、ワシ人外がはびこる空域に向かう。そこではヴィクトリアという老女が指揮を取っていた。そして、アルスルと同じく人外スコアを持つ男スロースとも出会う。神の使いとも見なされるワシ人外との戦いが始まった。 バトルファン…

『ミモザの告白4』八目迷 ガガガ文庫 感想

あらすじ・概要 「女の子として生きることにした」汐。しかし、汐の家庭は複雑な事情を抱えていた。汐の妹、操の視点から語られる、家族の過去とは。そして、汐と友人として接してきた咲馬も、これからの汐との関係を考えることになる。 汐と操の家族事情に…

『災害支援に女性の視点を!』竹信三恵子・赤石千衣子編 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 東日本大震災の被災地で、女性はどう暮らし、どんな困難に直面したのか。実際のトラブル、問題を取り上げ、被災地の女性にどのような助けが必要か考える。女性の問題から、災害弱者の問題も見えてくる。 困難が多い女性の避難所生活が悲しい …

『国境なき医師が行く』久留宮隆 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 国境なき医師団に参加することを決めた日本人医師は、内戦続きで疲弊したリベリアへ派遣された。派遣先での人間関係や、多忙な日々に悩みながらも、リベリアの人たちを手術する。国境なき医師団は現地でいったいどういうことをしているのかわ…

『書いた同人小説を売りたいのでいろいろやってみた!』倉くらの KDP 感想

あらすじ・概要 一次創作の同人小説を電子書籍で販売している著者。どうせ売るからには、たくさんの人に買ってもらいたい。著者が行った販促活動の結果や、投稿サイトによる傾向をまとめたエッセイ。 電子書籍で同人小説を売りたい女性の試行錯誤が面白い 前…

『フィンスタニス統治記シリーズ』くりたかのこ ビーズログ文庫 全3巻 感想

あらすじ・概要 フィンスタニスという見捨てられた土地を統治することになったルノアリア。そこでクレイルという亜精霊の青年と出会う。亜精霊は、精霊の血を引く人間のこと。魔物や精霊が存在するフィンスタニスで、ルノアリアは悩み葛藤しながら成長してい…

『性暴力対策ガイドブック』一般社団法人人権問題研究協議会 感想

あらすじ・概要 性暴力の恐ろしさは女性や子供だけではなく、男性の領域にも及ぶ。性暴力で起こりがちな問題をケースごとにQ&A形式でで語る。もし身近な人が性暴力を受けていたら、そして身近な人が性暴力の加害者になったら、自分はどのように行動するべき…

『心の傷を癒すということ』安克昌 角川ソフィア文庫 感想

あらすじ・概要 阪神大震災を経験した精神科医、安克昌。彼は阪神大震災とメンタルヘルスの問題について語る。災害直後の人々の精神状態から、精神疾患の人たちの病状悪化や苦悩、復興期に取り残される人たちのことなど、経験者ならではの視点で表現する。災…

『トロピカル性転換ツアー』能町みね子 文春文庫 感想

あらすじ・概要 性同一性障害を抱える著者は、タイで性別適合手術を受けることとなる。タイにおける入院生活や、体の変化、性別適合手術の独特の事情など、笑いを交えて発信する。当事者によるエッセイ体験記。 タイに性別適合手術をしに行く 面白おかしく書…

『統合失調症』村井俊哉 岩波新書 感想

あらすじ・概要 精神疾患のひとつ、統合失調症。珍しくない病気でありながら、多くの人がこの病気を誤解している。まだ解明しきれていない統合失調症に関する仮説から、投薬治療、患者が社会に受け入れられるために医者ができることなど、一般の人にも役立つ…

『後宮の薬師 平安なぞとき診療日誌』小田菜摘 PHP文芸文庫 感想

あらすじ・概要 大陸から来た父から薬を学んだ薬師、安瑞蓮は、腕を買われて宮中に上がる。そこで、体の不自由な皇子に出会う。皇子の身体を診ているうちに、瑞蓮は、後宮の女性たちのいざこざや嫉妬に巻き込まれていく 体に障害を持つ皇子をめぐる女性の悲…

『さいごの色街 飛田』新潮文庫 井上理津子 感想

あらすじ・概要 大阪に唯一残った遊郭街、飛田。著者はその実像をつかもうと、飛田に飛び込む。遊郭を運営していた人たちや、ヤクザとの関係、飛田特有の複雑なシステムを知り、著者は性産業と女性をめぐる問題について考えることになる。 ルポルタージュに…

『クララ白書』氷室冴子 集英社コバルト文庫 全2巻 感想

あらすじ・概要 中高一貫の女子高に通うしーのは、中等部の途中から寄宿舎であるクララ舎に入ることとなる。しかし、クララ舎に途中入寮するイニシエーションとしてドーナツを揚げさせられて……。女の園で暮らす女の子たちのトラブル、日常、友情を描いた連作…

『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』小田菜摘 角川文庫 感想

あらすじ・概要 医学校を卒業した翠珠は、ひょんなことから後宮で働くこととなる。翠珠は陰謀や噂が蔓延る後宮での労働にうんざりするものの、医術を通して妃たちの悩みを解決するうちに、彼女らの複雑な事情を知ることとなる。 人間観やジェンダー観がシビ…

『ものいわぬ農民』大牟羅良 岩波新書 感想

あらすじ・概要 戦後の日本、岩手で行商人をやっていた著者は、そこで農民たちの困窮や、独特の文化、閉鎖的な社会での悩み事を知る。岩手の人々のために役立ちたいと思いながら、インテリ層として人々との距離感に悩む。当時もっとも乳児の死亡率が高かった…

『関東大震災と流言 水島爾保布 発禁版体験記を読む』前田恭二 編著 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 関東大震災で大きな被害を受けた東京。画家,文筆家であった水島爾保布は地震発生直後から、デマや流言に惑わされる人々の姿を書き残していた。災害による混乱、恐怖。そして朝鮮人や、朝鮮人に間違われた人たちの虐殺が発生する。関東大震災…

『読んでもらえるnote術 大切な「最初の1か月」の取り組み方』ももんか KDP 感想

あらすじ・概要 多くの人が集う作品投稿サイト、note。著者がそこで得たnoteにおける読んでもらう工夫を発信する。記事の中身のこと、アイキャッチのこと、スキ機能のことなど、初心者にもわかるnoteの使い方とは。 短めのnoteの使い方 あらためてnoteのこと…

『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』河北新報社 文春文庫 感想

あらすじ・概要 仙台に拠点を置くローカル新聞河北新報。2011年3月11日、会社を東日本大震災が襲う。自らも被災しながら、記者たちは被災者に情報を届けるために東北に散った。地震発生直後から、避難所での生活まで、記者たちの働きを描いたルポルタージュ…

『キラキラしてない駐在妻はアメリカでどう暮らしたのか(旅行編)』倉くらの KDP 感想

あらすじ・概要 夫の駐在によってアメリカに移り住んだ著者。せっかくアメリカに来たのだから、アメリカでしか行けないところに行きたい。そう思った著者はアメリカの自然を楽しんだり、ディズニーリゾートを満喫したりする。旅の楽しさと苦労を描いたエッセ…

『サクリファイス』近藤史恵 新潮文庫 感想

あらすじ・概要 ときに敵に順番を譲り、ときにチームメイトのために犠牲になる。独特な文化を持つ自転車競技に魅せられた主人公は、選手として戦っていた。しかし、彼はチームメイトにまつわる疑惑を知ってしまう。不安や疑念の中、事件が起こる。 独特な文…

『はじめてのグラフィックレコーディング』久保田麻美 翔泳社 感想

あらすじ・概要 会議や会話をリアルタイムでイラスト化し、理解の一助とするグラフィックレコーディング。簡単な絵で「わかる」イラストを描く方法や、表情や動きのつけ方、図形によって絵を描く方法を解説する。グラフィックレコーディングによって、便利に…

『古文書返却の旅―戦後史学史の一齣』網野善彦 中公新書 感想

あらすじ・概要 日本史を研究していた著者は、各地方から借用した古文書が借りたまま返せていないことから、古文書返却の旅に出る。著者は各地を回り、不義理を謝罪しながら、学者の地元民への軽視を考える。日本史研究の負の側面を伝える新書。 研究者の後…

『皇女アルスルと角の王』鈴森琴 創元推理文庫 感想

あらすじ・概要 人より強い力を持つ生き物「人外」がはびこっている世界。父親を殺害したとして濡れ衣を着せられた皇女アルスルは、裁きの過程で人外リザシーブと出会う。予言の力を持つリザシーブは、アルスルに奇妙な予言をする。アルスルは、リザシーブと…