ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

読書感想

自分を縛る偏見を乗り越えることができるか―オースティン『高慢と偏見(上)』(光文社古典新訳文庫)感想

今日の更新は、オースティン『高慢と偏見』です。 いろいろバージョンがあるので、タイトルにレーベル名を入れておきました。 あらすじ 聡明で理知的なエリザベスは、近所に引っ越してきた青年ビングリーとその友人ダーシーと知り合う。エリザベスは、ダーシ…

見比べて観察する短歌入門―横山未来子『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』感想【AmazonPrimeリーディング】

今日の更新は、『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』です。 これもAmazonPrimeリーディングからは抜けてるっぽいですね。Primeリーディングにあるうちに読まないことに定評があるブログです。 書籍概要 文字数のことから、添削例まで。これから短歌を始め…

『あやかし双子のお医者さん』は人と人が分かり合えないところが最高だよね【布教用記事】

今日の更新は、『あやかし双子のお医者さん』についてです。 布教用記事というのが需要があるっぽいので、ネタがある限りはときどき書いていきます。 この、『あやかし双子』はドキドキハラハラしたり伏線が巧妙だったりするタイプの作品とはちょっと違うん…

子どものときにこんな悪い大人たちの読書案内を読みたかった―金原瑞人『金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内 海外作品』感想

今日の更新は、『金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内 海外作品』です。 いやあ、めちゃくちゃ面白かったです。 書籍概要 翻訳者の金原瑞人を中心に、さまざまな人がローティーンのために本をオススメする。泣けるものから笑えるもの、ディープなもの…

こっくりさんと契約した男の、悲しくも希望のある結末―乙一『天帝妖狐』再読感想

今日の更新は、『天帝妖狐』です。 久しぶりに読みたくなったので楽天koboで買いました。電子書籍は気が向いたときに買い戻せて、著者にお金を払えるのでいいですね。 あらすじ 杏子は道端で倒れていた夜木という男を拾う。顔を隠した夜木は、何か訳ありのよ…

これをミステリと呼ぶには無理があるだろ―野崎まど『パーフェクトフレンド』感想

今日の更新は、野崎まど『パーフェクトフレンド』です。 あらすじ 不登校の少女をたずねていった小学生理桜(りざくら)は、数学家の天才少女さなかと出会う。理桜が友達の重要性を説いたことをきっかけに、さなかは学校に通い始め、友達というものを知ろう…

描写は好きだけどちょっと物足りない―乾緑朗『機巧のイヴ』感想

今日の更新は、乾緑郎『機巧のイヴ』です。 レビューを見かけて面白そうだったので読んだ本。 あらすじ 江戸風の世界。天府という首都に、伊武(いう゛)という人形がいた。彼女は人間のようにふるまい、人間のように話すことができる。伊武には、天帝家にま…

装丁はアートではなく広告だ―範乃秋晴『装丁室のおしごと 本の表情つくりませんか?』感想

今日の更新は、範乃秋晴『装丁室のおしごと 本の表情つくりませんか?』です。 ライト文芸を読むシリーズで気になった本。 あらすじ 駆け出しの装丁家本河わらべは、会社の合併により巻島という男とペアになる。彼はベストセラーを連発する装丁家だったが、…

世界観がちゃんぽんになった怪談集―小原猛『沖縄の怖い話 琉球怪談物語集』感想【AmazonPrimeリーディング】

今日の更新は、『沖縄の怖い話 琉球怪談物語集』です。 これももうPrimeリーディングからは外れちゃったみたいですね。 書籍概要 沖縄に移住した著者は、沖縄の怪談に興味を持ち、収集を始める。沖縄の亀甲墓、霊場であるウタキ、霊能力者のユタ、沖縄戦や米…

「恋愛小説」を丁寧にまとめ上げる筆力―崎谷はるひ『トオチカ』感想

今日の更新は崎谷はるひ『トオチカ』です。 おすすめ記事から見つけたもの。 yocchi.hatenablog.com あらすじ 過去の恋のトラウマにより、男性が苦手な里葎子。逃げるように叔母の住む鎌倉に行き、友人と共にアクセサリーショップを開いた。そんな里葎子を何…

「持てる者」が示す無意識の傲慢さ―山崎寿人『年収100万円の豊かな節約生活術』感想

今日の更新は山崎寿人『年収100万円の豊かな節約生活術』です。 節約の本が読みたいなと思って入手しました。 書籍概要 著者の収入は年100万円程度の家賃収入のみ。それでどうやって生きていけるのか……。ポイントや料理などの節約術を語りつつ、自由に生きる…

着実に描写を積み重ねていく時間SF―一穂ミチ『きょうの日はさようなら』感想

今日の更新は、一穂ミチ『きょうの日はさようなら』です。 ライト文芸レーベルの作品をいろいろ読むシリーズ。 あらすじ 双子のきょうだいの明日子と日々人は、いとこの今日子と暮らすことになった。彼女は、コールドスリープによって30年前からやってきた女…

学校の授業で見せられた映画みたいな小説―榊一郎『カタナなでしこ』感想

今日の更新は、榊一郎『カタナなでしこ』です。 ライト文芸のおすすめ本に載せられていた本です。 あらすじ 高校生の千鶴は、祖父の遺品整理のときに日本刀を見つける。彼女は同級生の紗和子、鏡美、音々と、グループワークで刀の拵えを作ることになった。だ…

キャッチ―なストーリーはいいが構成に難あり―篠原悠希『後宮に星は宿る 金椛国春秋』感想

今日の更新は、篠原悠希『後宮に星は宿る』です。 タイトルが気になって一度読んでみたかった本です。 あらすじ 中華風の国金椛(ジンファ)国。そこで暮らしていた病弱な少年遊圭は、叔母が皇后になったことで親類縁者を皆殺しにされてしまう。皇帝に外戚は…

本からわかる人間の多面性―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時』感想

今日の更新は、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5』です。 あらすじ 栞子に告白した五浦。しかし、彼女には「返事は待ってほしい」と言われる。律義に待つ五浦だが、その間にも、ビブリア古書堂にはさまざまな事件が持ち込まれる。五浦は栞子の言動を測り…

トラクターの技術は世界をどう変えたか―藤原辰史『トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』感想

今日の更新は藤原辰史『トラクターの世界史』の感想です。 とあるブログで紹介されていて興味を持った本です。 書籍概要 畑を自動で耕す道具、トラクター。その発達は農業だけでなく、社会全体を変えた。各国のトラクターの歴史を振り返りつつ、トラクターが…

暗いエッセイだが周りの暖かさに救われる―先崎学『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』感想

今日の更新は、先崎学『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』です。 将棋好きの親からの借り物。 あらすじ 多忙とストレスから、うつ病を発症した先崎学。彼は入院し、療養生活に入った。退院してもなかなか動くことができず、病状は一進一退を繰り…

似たような展開が多くてちょっと飽きた―梶尾真治『おもいでエマノン』感想

今日の更新は、梶尾真治『おもいでエマノン』です。 何のセールだったか忘れたんですがKindleセールで買ったもの。 あらすじ 地球に生命が誕生してからの、すべての記憶をもっている女性「エマノン」。彼女はいつもどこかを旅している。エマノンがすれ違った…

乱歩をリスペクトした現代ミステリが楽しい―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4 栞子さんと二つの顔』感想

今日の更新は、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4』です。 久しぶりに読んだけれど、だいたい話を理解できたのでよかった。 あらすじ とある女性から、江戸川乱歩の蔵書を売ることを引き換えに「鍵のかかった金庫を開けてほしい」と依頼された栞子。「俺」…

しっかりした人物描写とストーリーを持つ百合小説―木ノ歌詠『幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』感想

今日の更新は、木ノ歌詠『幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』です。 あらすじをよく読まなかったので後から百合だということを知りました。 あらすじ 中学生の海幸は、列車に飛び込んで自殺しようとしたところ、電車が廃線になっていて不可能だ…

はすに構えた主人公の決断が最高―城平京『雨の日も神様と相撲を』感想

今日の更新は、城平京『雨の日も神様と相撲を』です。 表紙のイラストがめちゃくちゃかわいいですね。 あらすじ 事故で両親を失った文季(ふみき)。引き取られた叔父の元に向かうと、そこはカエルを崇め、相撲を中心として生活している村だった。子どものこ…

いかに家事を単純化して生活するか―Emi『わたしがラクするモノ選び』感想【Primeリーディング】

今日の更新は、Emi『わたしがラクするモノ選び』です。 amazonPrimeリーディングにあった本でした。 書籍概要 自らを「ズボラ」と称する整理収納アドバイザー、Emi。彼女の所有しているグッズを紹介し、いかに家事を単純化するか、そしてお気に入りのものに…

発達障害について何も知らない人にならいいかも―宮尾益知『ASD、ADHD、LD 職場の発達障害』感想

今日の更新は、宮尾益知『ASD、ADHD、LD 職場の発達障害』です。 発達障害についてのおすすめ本記事に載っていた本です。 書籍概要 仕事において、発達障害の人を、どう支えることができるか。職場を舞台に、困りごとを明確にするとともに、支援者と本人の工…

虫眼鏡のピントが変わっていくような感覚―穂村弘『シンジケート』感想

今日の更新は穂村弘『シンジケート』です。 短歌を少したしなんでみるシリーズ。 書籍概要 エッセイ、俳句、短歌など、マルチに文章を書いている穂村弘。彼の作った短歌をまとめた歌集。

女性不在の恋愛小説が興味深い―貴子潤一郎『12月のベロニカ』感想

今日の更新は貴子潤一郎『12月のベロニカ』です。 一巻完結のライトノベルを探していて見つけた作品。 あらすじ 「ベロニカの騎士」という十三人の騎士に選ばれた「私」。彼らは女神を降ろす少女「ベロニカ」を運ぶ役割を持っている。だが事件が起こり、一…

話半分に聞いておくべき本―島津良智『不安をなくす技術』感想

今日の更新は島津良智『不安をなくす技術』です。 書籍概要 不安にとらわれ、身動きが取れなくなってしまったときはどうすればいいのか。不安を心配に変えることこそが突破口になる。不安とうまく付き合い、ビジネスに生かしていこうとする一冊。

難病の人が一人暮らしをするということ―大野更紗『シャバはつらいよ』感想

今日の更新は大野更紗『シャバはつらいよ』です。 前日譚的な存在である『困ってるひと』は既読です。 あらすじ 免疫性の難病にかかり、入院していた著者は一人暮らしを始めた。しかしその生活は困難極まるものだった。そして、故郷を襲った大地震。はたして…

アドバイスが具体的でわかりやすい―高山恵子『イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント』感想

今日の更新は高山恵子『イライラしない、怒らない、ADHDの人のためのアンガーマネジメント』です。 知り合いのおすすめから読んだ本。 書籍概要 いらいらしたり、怒鳴ったりして、人間関係を悪化させてしまう。そんなときどうすればいいか。ADHDの人の特性を…

めちゃくちゃ励ましてくれる、元気になれるアドバイス本―ルディ・シモン『アスパーガール アスペルガーの女性に力を』感想

今日の更新はルディ・シモンの『アスパーガール アスペルガーの女性に力を』です。 アスペルガー関連でおすすめの本として紹介されていた本です。 書籍概要 人とは少し違う、アスペルガー症候群の女性たち。劣等感や貧困を抱えている彼女らだが、よりよい人…

内容は面白かったけど訳者のあとがきがダメ―ソル・フアナ『知への賛歌 修道女フアナの手紙』感想

今日の更新は『知への賛歌 修道女フアナの手紙』です。 「本は人生のおやつです」で買ってきた本です honkuimusi.hatenablog.com 書籍概要 類まれなる知的好奇心と文才を持ちながら、17世紀メキシコという女子教育に理解がなかった時代に生まれたソル・フ…