ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

読書感想

世界を変える戦いで眼鏡神父がだめな感じになっていく 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月窟の黙示録』感想

吸血鬼の小説を読むシリーズ。 この巻の表紙、前巻のの表紙と対になっているんですね。ギブとツキシロの位置が前巻と逆です。こういう構図で遊ぶのって面白いですよね。 あらすじ 悪魔を閉じ込めた聖櫃の「鍵」として狙われるようになったギブとツキシロ。ギ…

ADHDの人のための「精神論でない」片づけ方 司馬理英子『「片づけられない!」「間に合わない!」がなくなる本 ADHDタイプの【部屋】【時間】【仕事】整理術』感想

毎度のことながら、片づけられないので読みました。 書籍概要 不注意やスケジュール管理の苦手さから、生活で困難を抱えがちなADHDの人たち。どうすれば生活を改善できるのか。少しでも生きやすくするアイデアを、イラスト付きでわかりやすく解説する。

森の奥の洋館で人が消え続ける 小野不由美『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』感想

メタル系の紙に印刷されていてめっちゃギラギラした本です。 あらすじ 日本国の元首相から依頼を受け、森の奥の洋館にやってきたナルたち。そこは人が消える館だった。集められた他の霊能力たちと一緒に捜査を開始するが、人々が次々に消えていく。果たして…

敵対するふたりの王が協力して国に平和をもたらす 沢村凛『黄金の王 白銀の王』感想

あらすじ 鳳穐(ほうしゅう)と旺廈(おうか)という二つの氏族が王位を争い続けてきた翠(すい)の国。囚われていた旺廈の頭領薫衣(くのえ)は、鳳穐の頭領で現王の穭(ひづち)に協力を持ちかけられる。それは、長い争いを終わらせ、翠の国に平和をもたら…

悪ノリをしてサハラ砂漠でマラソンすることに 高野秀行『世にも奇妙なマラソン大会』感想

Kindle日替わりセールであったので買ってしまった本。高野秀行の本がセールだとつい買いたくなるんですよね……。 書籍概要 悪ノリをして西サハラでマラソンをすることになった表題作、インドに入国するため改名をしようとする話、海外で起こったちょっと不思…

神父と下僕の物語はスケールが大きくなっていく 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月牙の命脈』感想

吸血鬼の本を読むシリーズもだいぶ進んできました。 あらすじ 吸血鬼に転化する可能性があるギブは、師匠と兄弟弟子のレオンとともにある女性のもとを訪ねる。彼女は、500年を生きた魔女だった。一方ギブが悪魔を閉じ込めた「聖櫃」を開ける鍵だとして、とあ…

「演劇はこんなにも面白い!」が伝わってくる青春小説 平田オリザ『幕が上がる』感想

青春小説のおすすめ記事に上がっていた作品です。 あらすじ 地方の高校演劇部にやってきた新任の顧問が、彼女らの意識を変えていく。「大会で勝ち残りたい」という意思が、演劇のクオリティを高める。演出を担当することに主人公 は、『銀河鉄道の夜』を翻案…

本を愛する古書店主が張り出した張り紙をたどる さかもとけんいち『ほんじつ休ませて戴きます 人生最晩年、あふれ出た愛の言葉集』 

知り合いのおすすめで手に取った本です。大阪の話ですしね。 書籍概要 大阪の古本屋「青空書房」。そこに貼られた「ほんじつ休ませていただきます」という張り紙には絵と一言が書かれている。その張り紙を紹介しながら、店主が半生を語っていく。画集と語り…

囚われの神父ギブを下僕ツキシロが迎えに行く 瑞山いつき『スカーレット・クロス 隠されし月の制約』感想

吸血鬼ものを読むシリーズ。どうしても古い作品だとAmazonのサムネイルが悪いですね……記事に載せるとき困るのなんの。 あらすじ 冤罪の疑いをかけられ幽閉されてしまったギブ。ツキシロやレオンは、彼を救い出そうと作戦を練る。一方のギブは、そこから出て…

シュールなユーモアと絶望の合わせ技 パク・ミンギュ『カステラ』感想

あらすじ タヌキゲームにはまってしまったインターン先の社員、何でも入る冷蔵庫、宇宙人の襲撃を受けている農地……。ごく普通の日常にシュールな題材を交え、絶望とユーモアをもって人間を描き出す短編集。

発達障害の紹介と生活改善方法がよくまとまっている 星野仁彦監修『大人の発達障害を的確にサポートする!』感想

たぶん星野仁彦は監修だけで別のライターが本文を書いているみたいなんですが、それなら名前を載せてあげたらいいのに……と思いました。 書籍概要 片づけられない、コミュニケーションが苦手、こだわりが強い……。人よりちょっと変わった存在である発達障害。…

座敷牢に閉じ込められた彼女はなぜ怖い話を集めるのか オキシタケヒコ『おそれミミズク あるいは彼岸の渡し網』感想

よその読書ブロガーさんがおすすめされていたので気になった本。読み終わってから表紙を見るとなるほどなーと思います。 この本はブログの収益で買いました。ありがとうございます! あらすじ 新聞配達員の瑞樹は、ツナという座敷牢に閉じ込められた女の子に…

リンカーンは復讐のために杭を手に取った セス・グレアム=スミス『ヴァンパイアハンター・リンカーン』感想

最近読んでる吸血鬼ものの中で一番イロモノっぽい題材だ……。 あらすじ 吸血鬼に母親を殺され、復讐を誓ったエイブラハム・リンカーンは、ヴァンパイアハンターとして吸血鬼を屠っていく。しかしエイブは、奴隷制があるかぎり吸血鬼を滅ぼすことはできないと…

怪異が移動する学校で行われたあることとは 小野不由美『ゴーストハント4 死霊遊戯』感想

表紙がネタバレになっています。読み終わって初めて気づくレベルのネタバレなんですが。黒い部分は印刷がちょっと盛り上がってます。 あらすじ 心霊現象が多発する高校の調査に来たSPRのメンバー。生徒たちは学校の無意味な締め付けに不満を持っていた。除霊…

毛玉たちの恋、ぎすぎすする天狗たちの戦い 森見登美彦『有頂天家族 二代目の帰朝』感想

このAmazon画像には反映されてないけれど、二重カバーださすぎ問題はこの巻でも続いています。 本当にもうちょっとかっこいいカバーにしてほしいです。 あらすじ 京都の町に赤玉先生のかつての弟子「二代目」が帰ってきた。二代目は、赤玉先生と弁天を憎悪し…

悪友二人の楽しくて寂しい友情 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月闇の救世主』感想

吸血鬼の小説を読んでいくシリーズ。大分たくさん読んできましたね。 なぜかAmazonに小さい表紙画像しかありませんでした。画質が悪い……。 あらすじ ギブはニネベの街で親友レオナルド(レオン)に再会する。だが出会ってすぐに喧嘩別れしてしまい、ツキシロ…

豊富なイラストと文章で電話応対のしかたを学ぶ 北原千園実『電話応対のルールとマナー』感想

職場で電話応対をするかもしれないので、ちょっと調べてみようかなと思い手に取りました。 書籍概要 社会人なら一度はやらなくてはならない電話応対。新社会人や初めて電話応対する人のために、電話応対の基本的知識やよく使うフレーズ、気持ちのいい話し方…

姫君を乗せて大空をかける飛行機の美しさ 阿部藍樹『白翼のポラリス』感想

Twitterでおすすめされていたので買ってみました。女の子より飛行機のほうがでかい表紙、かっこいいですね。 あらすじ ほとんどの陸地が海に沈んだ世界。船国から船国へ荷物を運ぶスワローの少年、シエルは少女から「自分を運んでほしい」と依頼を受ける。彼…

心霊事件の黒幕にひえっとなる 『ゴーストハント3 乙女ノ祈リ』感想

あらすじ SPRに持ち込まれる心霊相談。それはすべて同じ高校から持ち込まれたものだった。増え続ける怪談に頭を悩ませるSPRの面々。その解決には、麻衣の秘められた力がヒントになっていく。

人がえげつない理由で死んでいくのに下世話な興味を持つ 京極夏彦『姑獲鳥の夏 下』感想

ちょっと時間が開いてしまったけど下巻を読んでいました。前巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 20か月以上孕んでいる女性、消えた赤ん坊、失踪した男……。謎が謎が呼ぶ館で、京極堂は謎解きをする。あらゆる因縁が明かされ、衝撃の事…

ADHDの生活改善の初歩 桜井公子『どうして私、片づけられないの? 毎日が気持ちいい!ADHDハッピーマニュアル』感想

Amazonで気になったので入手した本です。 書籍概要 日常で大きな困難が付きまとうADHD(注意欠陥多動性障害)の人々。本書では、さまざまなADHDの悩みを紹介しつつ、それにどのような改善策が取れるか、猫のイラストとともに紹介している。

黒豚姫が自分の人生を取り戻す カミツキレイニー『黒豚姫の神隠し』感想

表紙がかっこいいので読んでみたかった本です。絵柄がすごく好きなんですよね~。 あらすじ 冷たいクラスメイト、波多野清子の笑顔を見てから、彼女を自主製作映画に出演させたいと思うようになった米輔(ヨナ)。脅して言うことを聞かせようとするが、彼女…

この作品のキリストには幸せになってほしかった ニコス・カザンザキス『キリスト最後のこころみ』感想

複数の読書ブログで見かけたので内容が気になっていました。 いや~読んでよかったです。面白かった。 あらすじ マリヤの息子イエスは、周囲の不思議な予兆に悩まされていた。そして天の啓示を受け、仲間を集めて自分の考えを広めていく。彼は十字架にかけら…

戦いの行方と美しい恋の終わり あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS11 賢者転生』感想

ついに最終巻。どんなシリーズでも感慨深いですね。 あらすじ 特区に吸血鬼たちが集結し、最終決戦の火ぶたが落とされる。特区を脱出しようとする九龍の血脈に、ミミコらが打った手とは……。そして、ミミコとジローの関係にも決着の時が来る。

濃いキャラクターが毎日お祭り騒ぎ 森見登美彦『有頂天家族』感想

この、めちゃくちゃダサい二重カバーはなんとかならんかったのか。アニメ絵でもいいから、もっと持ってて楽しいデザインにしてほしいです。 あらすじ 父親が人間たちに狸鍋にされてしまった狸の四兄弟。しかしその息子たちは阿呆ばかりだった。主人公である…

沖縄を舞台に幻想と醜さの間を行く短編集 恒川光太郎『月夜の島渡り』感想

書籍概要 逃げ込んだ孤島にいた軟体動物との暮らし、何度も生まれ変わる女性が見た時代の流れなど、沖縄を舞台にした幻想小説短編集。

お姉さん巫女綾子がポンコツかわいい 小野不由美『ゴーストハント2 人形の檻』感想

今回の表紙箔押しですね。変わった箔の押し方です。 あらすじ SPR(渋谷サイキックリサーチ)の渋谷一也(ナル)と麻衣は、依頼を受けて怪現象の起こる洋館へ向かう。そこで別のルートで依頼されていた綾子と法生と出会い、協力して調査を進めていく。

それぞれの決戦前夜に思うことは あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS10 銀刀出陣』感想

あらすじ カンパニーが特区を奪還する「Xデー」が近づく中、ミミコを中心とした人々は対応に追われる。一方、香港では血の気の多い吸血鬼が集まりつつあった。それぞれの最終決戦の前夜が過ぎていく……。

怖くておかしくて美しい短編小説をアンソロジーに 西崎憲編訳『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』感想

書籍概要 おどろおどろしく、怖くて、美しい。そんな怪奇小説の18編を、古典的なものから新感覚なものまで、一冊にまとめ翻訳したアンソロジー。

革命を起こした農場の動物たちがディストピアに陥る ジョージ・オーウェル『動物農場』感想

読みたいなあと思っていたけれど後回しにしていた本。原文の著作権は切れていたのか……。 「闇のどうぶつの森」のような作品でした。 あらすじ 農場主を追い出し、自分たちで農場を運営していくようになった動物たち。しかし農場のトップになったブタたちは、…