ブックワームのひとりごと

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小さなおうちでの禁じられた恋 『小さいおうち』感想

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dtvで『小さいおうち』を見ました。

原作は既読なので、だいたいのあらすじを知っている状態です。


『小さいおうち』予告編

あらすじ

元女中のタキが、自叙伝を書くためにノートに自身の人生を書いていきます。タキは平井家で働くことになり、そこで美しい夫人、時子に出会います。使用人と主人としての信頼を築いていく二人ですが、タキは時子の道ならぬ恋を知ってしまい苦悩します。やがて戦争の影が平井家に忍び寄り……。

キスも告白も出ないラブストーリー

時子の道ならぬ恋をタキが知る、という家政婦は見た的な話なのですが、その恋愛の描き方がすばらしいです。

二人は作中で告白もしなければキスもしないのです。一見すると普通に会話しているように見えるのですが、よーく観察すると実は……という。その絶妙な描写がよかったです。何も語られないだけに、色気がありました。

話もビジュアルもとても地味で、ドキドキワクワクするような作品ではないのですが、「ああ、ここをこういう風に表現するのか……」と膝を打つような気持ちよさがありました。俳優さんの演技も合わさって、とても美しかったです。

あとこれは映画のオリジナルパートだと思うんですが、語り手である孫とおばあちゃんになったタキの交流がほほえましかったです。べたべたするのではないですが、孫がまめに様子を見に来たり、タキがごはん作ってあげたり、仲がいいのだなとほっこりしました。おばあちゃん子なんですね……。

まとめ

原作の雰囲気を再現しつつ、ちゃんと映画でしか見れない部分も補完しているクオリティの高い実写化だと感じました。

地味な映画ですが、いろんな人に見てほしいですね。

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