ブックワームのひとりごと

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分かり合えないのが面白い お気に入り人外小説5選

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私は人外ものが好きで、周囲にもそれを知られているので「こういう人外ものがあったよ」っておすすめを受けるんですけれど、私は人外ものならなんでもいいわけではないんですよね。

私は「分かり合えない人外」が好きなので人間とまったく支障なくコミュニケーションが取れる人外にはあまりときめかないのです。

というわけで今回は分かり合えない人外ものをまとめました。

ダブルブリッド中村恵里加電撃文庫

人間と人間でないものから生まれた女性と、彼女に恋した男性の話。

この作品の人外と人間はかなり分かり合えない度が高いうえに、悲惨な展開が多いです。分かり合えないのに愛してしまう、そんな関係が悲しくてしかたないです。

ただ、絶望的な話であっても少しだけ救いがあるのがミソですね。

挿絵の絵柄がものすごく変わっているんですが、イラストレーターさんは同一人物です。

『王女コクランと願いの悪魔』入江君人富士見L文庫

 聡明な王女コクランの前に、ひとりの悪魔が現れます。彼は彼女の願いをかなえるというのだが、コクランには願いがないようで……。

とてもべたべたな悪魔×女の子の話です。さまざまな事情にがんじがらめになり、願いを言えないコクランと、他人の願いがなければ存在意義を失ってしまう悪魔。その二人が少しずつ恋に落ちていく姿が愛しく、そして悲しいです。

少女小説としてはかなり重い話です。

戦闘妖精・雪風神林長平(ハヤカワ文庫)

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

 

人工知能を搭載した戦闘機・雪風とそのパイロットが戦ったり哲学したりするシリーズです。

わりとSFに出てくる人工知能は人間に近いものもあるのですが、雪風はあまりにも人間と違います。そんな雪風パイロットの零が協力したり協力できなかったりするところが面白いです。

長いので読むのは大変ですが、テーマが普遍的なのでそこはとっつきやすかったです。

『ベルカ、吠えないのか?』古川日出夫(文春文庫)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

 

 WWⅡ後、孤島に捨てられた軍用犬。彼らは繁殖を繰り返して世界中に子孫をばらまきます。一方おじいさんとかわいくない少女の心あたたまらない交流が展開し……。

犬が主人公の歴史小説です。人間側の主人公のような男の、犬への思いがなんだか悲しいです。

犬は犬だから一切の罪悪感もなく殺し生まれて死んでいく。でも不思議とかっこよくて魅力的なんですよね。犬本人はこんなドラマを与えられてもなんとも思わないんでしょうね……。

『アンゲルゼ』須賀しのぶコバルト文庫

アンゲルゼ―孵らぬ者たちの箱庭 (コバルト文庫)

アンゲルゼ―孵らぬ者たちの箱庭 (コバルト文庫)

 

 孤島に暮らす陽菜は自分が異質な能力を持つことに気づき、「アンゲルゼ」と呼ばれる人類の敵と戦うことになります。

この陽菜の能力が「アンゲルゼを操る」能力だからさあ大変です。巻が進むにつれて、ひどくなっていく状況。アンゲルゼとは何者なのか……コバルトとは思えないほどハードです。

人に似て人でない者との戦いが好きな人はぜひ。

実は打ち切りなんですが、作者のHPに補完同人誌が再録されているので気になるかたはどうぞ。

まとめ

私の熱い気持ちが少しでも伝わればと思います。

人外ものが好きな方に役立てれば幸いです。

 

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