ブックワームのひとりごと

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食堂に集う珍客たち 吉田篤弘『つむじ風食堂の夜』感想

 『つむじ風食堂の夜』を読みました。

なんだかイメージしていた内容と違った。

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

 

 あらすじ

レストランのようなメニューが置いてある、つむじ風食堂。しかしその実態は、和食も洋食もある安食堂。ライターである主人公は、そこに集う人々と奇妙な交流をします。帽子屋や、女優志望の女の子……おかしくて優しい物語。

特別なことは起こらないけれど癖になる

この作品ははっきり言って雰囲気小説です。劇的なストーリーや重要なメッセージはないです。ふんわり始まってふんわり終わります。

ただ、とても文章が美しく、ユーモアに富んでいるので面白く読めてしまいます。主人公の父の手品や、ライターの主人公が買おうとする古本、帽子屋が売りつけようとする万歩計……そういうものが存在するだけで面白くなってきます。実際にこの光景が見たくなってしまうんですよね。

たぶん面白くないと思う人も多い気がしますが、私は好きです。全体的にふわふわした感じとか、寓話的なところとか、そういうあいまいな部分を書くのがうまい人なんでしょうね。

タイトルでご飯の話を期待する人も多いでしょうが、食べ物の描写はそんなにないです。少しだけ出てくるシーンはとてもおいしそうでしたが。

まとめ

正直万人受けする本ではないと思うんですが、ちょっと変わった本にチャレンジしてみたい人にはいいのではないかと思います。

優しくて変な風景が面白かったです。

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