『METRO2033 上』を読みました。
これもSF好きの友人にすすめられたもの。
あらすじ
核汚染で荒廃したモスクワ。生き残った人々は地下鉄に逃げ込み、そこで都市国家を築きました。アルチョムは「ハンター」と名乗る男と出会い、秘密を打ち明けたことから彼の使命に協力することに。はたしてアルチョムはミッションを遂行することができるのか……。
ロシア独自の「ディストピア」
滅んだ世界で地下世界に逃げ込むというのはSFの王道で、ウールや氷の国のアマリリスがありますが、この話のポイントは現実のモスクワ地下鉄を舞台にしていることです。そこが現実と地続きになっている感じがしてとてもわくわくします。
さらにロシアの民族問題やソ連時代のことも織り込んでいるのが面白いです。設定は王道ですけれど、ロシア独自のローカルな話題が入るところが生々しさもあり、個性的でもあります。
ディストピアものなので展開はかなり容赦がないです。協力者はどんどん死ぬし、主人公は幾度となくぼこぼこにされます。非常に泥臭い話です。しかしあんまり暗くなりすぎないのが不思議です。アルチョムがくよくよしないタイプだからかもしれませんね。
上巻なので伏線を巻く要素が大きく、謎は解決していないので下巻も読んでみないと最終的な面白さはわかりませんね。近いうちに下巻も読むつもりです。
まとめ
ロシア人にしか書けないディストピアという感じで面白かったです。
ゲーム化もされているらしいので、日本では有名ではないけど人気があるんでしょうね。
下巻感想