『恋するソマリア』を読みました。
ワセダ三畳青春記を読んで興味を持ったので手に取ってみました。
あらすじ
「アフリカの角」と言われる地域に住むソマリ人。彼らの魅力に取りつかれた著者は、地元のジャーナリストの協力を得てソマリを旅します。冷淡で孤高、二枚舌で論理的、さまざまな面を持つソマリアの素顔とは……。
文化がまったく違う国ソマリア
ソマリアの本を読むのはこれが初めてなんですが、こんなに日本人と考え方が違うのかとびっくりしました。仲良く会話していたと思ったら、著者の仲間のジャーナリストたちですらさらっと不実なことをしたり、冷たい態度を取ったりします。
一方で、テクノロジーが好きだったり、詩や音楽に独自の世界観を持っていたり、なんだか多面的過ぎてつかみどころがありません。
知らない文化のことを聞くと何かしらびっくりしますが、この本はさらにびっくりな部分が多かったです。
そして読者と同じようなところで著者がびっくりしてくれるのがありがたかったです。共感できる……。
ソマリアに恋して
そして何より印象的なのは、そんなソマリアに恋した著者の存在でしょう。
なるべくソマリ人の目線に立ち、会話し、ソマリ人のやることはやってみて、いろんなところに行くのに、なかなかソマリ人のことを理解できない苦悩。
しかし、理解できないものに対して常識を押し付けようとしたり、頭ごなしに批判しなかったのがすごい……と思いました。
著者は文化人類学者でもジャーナリストでもないのですが、結果的にどちらでもあるような本の内容になっています。
「人が見たこともないものをできるだけ論理的に説明する」という点ではすでにアカデミックな本だと思いました。
まとめ
内容が濃いので読むのに時間がかかりますが、自分の知らないことばかりで満足感が高い一冊です。
これで1600円とはコスパがすごいですね!
著者の他の本のレビュー