ブックワームのひとりごと

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人の心とあやかしが交わり人をたぶらかす  『モノノ怪』感想

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モノノ怪』を見ました。

 怖かった……。

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あらすじ

奇妙な格好をした薬売り。彼はもののけを切る刀剣を持っています。「形、真、理」がそろった時にその剣は抜くことができます。彼がさまざまな事件に遭遇し、真相を解き明かしていく和風伝奇アニメーション。

 浮世絵を意識した独特のアニメ

このアニメの独特なところは、絵柄です。影がないし、絵もあんまり動かない。手間がかかっていないというわけではなくて、浮世絵を意識した絵柄なのだと思います。

加えて登場人物の肌や目の色がさまざまだったり、突然クリムトっぽい絵が出てきたり、純和風ではないので不思議な世界観になっています。

内容も視聴者の想像に任せている部分が多く、よく考えないとそのオチに至った理由がわからないので、謎めいた雰囲気があります。

そして怪奇現象がいちいち怖い……過度なグロや直接的な描写はないけれど、実際にこれに巻き込まれたら死ぬほど怖いだろうなあというホラー描写です。

演出や雰囲気がとても独特なので、映像だけでも楽しめると思います。

 

しいたげられた女性が自分の意思で歩く

もう一つ興味をひかれた部分は、しいたげられた女性をテーマにした話が多いこと。『座敷童』『のっぺらぼう』『化猫』の三つは女性にフォーカスされていました。

昔の世界観で描かれているので、女性にはろくに人権がないんですが、そんな過酷な状況の中で、自分の意思で歩き始める過程がよかったです。「お前が消えて喜ぶものに お前のオールを任せるな」って感じでした。

現実に戦うのは大変ですが、それでもこういう話を書いてくれると勇気がもらえます。薬売りさんかっこよかったです。

逆に『海坊主』は男性視点の話なんですがこれも好きです。後悔と愛と逃げの話でした。

 

まとめ

独特の雰囲気で面白かったです。結構頭を使うので見るのに体力がいりますが、その分考察が好きな人には楽しいと思います。

薬売りさんのかっこよさもぜひ注目してほしいです。

 

 

モノノ怪-座敷童子- (ゼノンコミックス)

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