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ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

8つの不思議な恋をまとめたアンソロジー 大森望編『不思議の扉 ありえない恋』

読書感想 SF ファンタジー アンソロジー 異種間恋愛 梨木香歩 椎名誠 川上弘美 シオドア・スタージョン 三崎亜記 小林泰三 万城目学 川端康成

『不思議の扉 ありえない恋』を読みました。

「時をかける恋」が面白かったのでこっちも読んでみることに。

 

不思議の扉   ありえない恋   (角川文庫)

不思議の扉   ありえない恋   (角川文庫)

 

 書籍概要

異種間恋愛、時空を超えた恋愛、特定の部位への恋愛。現実では起こるはずのない恋愛は、SFやファンタジーの得意分野です。そんな不思議な恋愛物語をまとめたアンソロジー。

 

異種恋愛が多め

本の全体としては異種間恋愛が多めです。人間との恋愛は四つだけ。どれも面白いですが、もうちょっと傾向をばらけさせてもよかった気もします。

そして「時をかける恋」のときも思いましたが、このシリーズは解説まで読まないとだめですね。解説でこの本に収められなかった「ありえない恋」の小説を紹介してくれるので、芋づる式に読みたい本が増えていきます。恐ろしいです。

 

各話感想

サルスベリ梨木香歩

行方不明になった友人の家を管理することになった主人公。彼は庭のサルスベリに惚れられてしまう。

この作品のもとの本は序盤を読んであんまりぴんとこなかった思い出があります。今読み返してもそうだから、向いてないのかもしれないですね……。

雰囲気を楽しむタイプの小説なのかなと思いますが、どうにもしっくり頭に入ってこないです。

『いそしぎ』椎名誠

「お申し送り」という謎の風習に妻を出すことになった男。彼は黙々と儀式をこなしていく……。

なんだかシュールな話でした。トンチキな世界観なのにどこか物悲しいのが面白いです。このわけのわからなさ嫌いじゃない。

謎グッズがどんどん出てくるので楽しいです。

『海馬』川上弘美

陸に上がった海の生物は、男たちのもとを転々とします。やがて子供が生まれ、人でなかったことを忘れそうになりますが……。

うつうつとしていて生々しいです。ファンタジーなのにリアルさを感じてしまうのは文体のせいでしょうか。

ハッピーエンドともバッドエンドともつかない終わり方。

『不思議のひと触れ』シオドア・スタージョン

人魚に恋した男女が、ある夜に出会う。彼女らは自分の身の上を語り始める……。

オチが意外でした。でもこういう終わり方も悪くないですね。

説明に出てくる人魚が絶妙にかわいくないので、二人はちょっと趣味が変なのでは……と思ってしまいました。「それがいい」ってやつなのかな。

『スノードーム』三崎亜記

主人公はショーウィンドウの中に生きた人間がいることに気づく。彼はショーウィンドウの中の女性あてにクリスマスプレゼントを送り……。

不思議な展開をする話です。強い伏線があるわけでもなく淡々としています。でも不思議と短編として成立しています。

どの辺が面白いのか説明できないのにちゃんと面白いです。謎。

『海を見る人』小林泰三

地域によって時間の速度が変わる奇妙な世界。主人公は時間の流れが違う相手と恋に落ち……。

この本の中で一番ハードSFな話かもしれません。といっても難しい部分は読み飛ばしても大丈夫ですが。

ロマンスなのにどこか怪しくて面白かったです。

『長持の恋』万城目学

バイト先の旅館に会った長持の中の板切れにらくがきをしたら、なぜか返事が返ってきた……。

この本の中ではこれが一番好きです。かわいかったし、オチがすごくよかったです。思わず最初に戻って確認しました。

本編の『鴨川ホルモー』も読んでみたくなりました。

『片腕』川端康成

女性の片腕を借り受け、一晩過ごす男。彼と腕の会話とは……。

すごい耽美な話でした。アブノーマルなにおいがプンプンします。でも直接的な描写はほとんどないんですよね……。

やっぱり語彙力のある人の変態な話は破壊力があります。

 

まとめ

珠玉と言った感じで面白かったです。この編者はセンスがいいです。

少しずつこのシリーズを読み進めたいなと思っています。

 

不思議の扉  時をかける恋 (角川文庫)

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不思議の扉  午後の教室 (角川文庫)

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 このシリーズの感想

 

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