ブックワームのひとりごと

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ようこそ嘘とまことが交わる世界へ 桜庭一樹の本お気に入り6選

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私が好きな作家を聞かれてよく挙げるのが「桜庭一樹」なんですが、「名前は知っているけれど読んだことはない」と言われることが多いです。

今回は布教もかねて桜庭一樹の本の中のお気に入りをまとめてみました。

 

赤朽葉家の伝説創元推理文庫

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)

 

 製鉄の家に生きた祖母・母・孫の人生を、孫である「わたし」の視点から語る世代交代年代記。

歴史通りに物語は進みますが、祖母が千里眼というファンタジーな能力を持っていたり、母はレディース暴走族あがりの漫画家だったり、とにかく設定が自由です。

そんな中で、語り手である「わたし」の物語のなさが、現代をよく示しています。

家族以外のキャラクターも濃くてすぐに覚えてしまいます。

 

青年のための読書クラブ新潮文庫

青年のための読書クラブ (新潮文庫)

青年のための読書クラブ (新潮文庫)

 

 古い女子学校に存在する読書クラブ。「ぼく」と名乗るそれぞれの語り手たちが、学校で起きたおかしな事件を書き留めます。

ありえないだろその展開!と思いつつ、ひょっとしたらあるかもしれないと思わせるポップさが好きです。

エンターテイメントではあるのに、どこか斜に構えた展開に逆にわくわくしてきます。

比較的軽いので、サクッと読みたい人におすすめです。

 

『私の男』文春文庫

私の男 (文春文庫)

私の男 (文春文庫)

 

 不道徳な関係に陥っている養父と娘。彼らの物語を時系列を逆にしてたどる恋愛小説。

正直愉快な作品ではないんですが、生々しさに圧倒されます。ある意味とっても怖いストーリー。

何が怖いって、養父を魅力的に感じる娘の気持ちがなんとなくわかってしまうことです。

直木賞作品でもあります。

 

 『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』角川文庫

 人魚を自称する少女とリアリストの主人公が出会い、バッドエンドへ疾走する青春小説。

少女の時期の閉塞感、無力感が伝わってくる痛々しい作品です。読んでいてつらいんですが、結末までの疾走感で途切れずに読み切りました。

もともとはライトノベルだった作品なので、文章はわりと軽いです。

 

 『少女七竈と七人の可愛そうな大人』角川文庫

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

 

 淫乱な母親から生まれ、美しく育った七竈。静かに暮らしていたいのに周囲はそれを許さず……。

なんとなく暗い雰囲気ですが、最終的には青春小説として読めます。

淫乱な母親のキャラクターが濃くてそればかり覚えてます。辻斬りのような男遊び……。

 

まとめ

この作品を入れろや!という意見もあるでしょうが私のお気に入りということでひとつ目をつぶってください。

桜庭一樹の面白いところは歴史的なことや、土地のローカルな話題などの「まこと」とぶっとんだフィクションの「嘘」が交わるところだと思います。

そういうところを楽しんでもらえたらなと思います。

 

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