『タイ人と働く』は『ドンキに行ったら外国人がすごかった』というコミックエッセイの参考資料として登場していた本です。
近頃面白かった本の参考資料を読むのが好きなので、参考資料はどんどん本の中に書いてほしいです。
- 作者: ヘンリーホームズ,スチャーダータントンタウィー,Henry Holmes,Suchada Tangtongtavy,末広昭
- 出版社/メーカー: めこん
- 発売日: 2000/03
- メディア: 単行本
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書籍概要
ときに怠惰、ときに丁寧で礼儀正しい。そんなタイ人の上司になるにはどうすればいいのか。アメリカ人のマネージャーの視点から、タイ人の文化と国民性について語る一冊。
二つの異文化が読める本
この本の面白いところは、アメリカ人がタイ人を語ることによって、日本人には二つの異文化が見えてくるところです。
アメリカのビジネス世界における合理性、はっきりとものを言う文化などは、タイの人にはなかなか受け入れられないものです。じゃあお互いに譲歩するためにはどうすればいいのだろう? と著者は問いかけます。
どちらか片方に肩入れすることなく、いいところも悪いところも認めたうえで「お互いに気持ちよく働くにはどこに気を遣えばいいのか」を語っていくと、結局は著者の生きる文化も見えてきます。
異文化コミュニケーションは難しいですが、相手を知ることは自分を知ることでもあるとしみじみ感じます。「相手のため」だけではないんですよね。
タイ人と日本人の類似性
もう一つ面白かったのは、タイの人の考え方が結構日本人に似ていること。
「気遣い」の文化はタイほどではないにしろ存在するし、根底にある仏教的価値観、農業従事者が多数を占めていた社会の文化は昔の日本にもあったものです。
だから西洋の人が感じるタイ人へのいらだちにも「そこまで言わないでやってくれ」と思えてきます。
本文によると、日本人は日本人で大変で、同じ部分があるからこそ違いが目立ってしまう部分もあるみたいですけれどね。
似てるからってうまくいくとは限らないんだなあ。
まとめ
異文化の間で悩む外国人上司の大変さ、タイの文化の面白さが感じられる一冊でした。外国に関する本は、「世の中にはいろんな人がいるんだ」ということを再確認させてくれます。
近くて遠いよ外国人。
進化する多国籍企業―いま、アジアでなにが起きているのか? (新世界事情)
- 作者: 末広昭
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/11/26
- メディア: 単行本
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