ブックワームのひとりごと

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『ユーリ!!!on ICE』は腐向けアニメなのか 10話までの感想

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このところ ユーリ!!!on ICE を見てました。

結論から言うと、YOIは腐女子向けアニメだと思います。

いや、同人文化がさまざまなところに波及している現在、意識していないわけではないでしょう……。まあ確定的なことは言ってないので推測にすぎないけれど。

でもこのアニメはそれだけじゃない、視聴者の想像する「腐女子向けアニメ」を超えようとしています。

その挑戦が面白いなと思ったので、今回はそのことについて書きます。

でも私、腐向け表現に嫌悪感はないけど「へーそうなんだ」くらいで興奮はそれほどしないから、あくまでそういう人の意見として聞いてください。

 

 

セクシャリティをあんまり気にしてないスケーターたち

この作品には男性に対して距離が近いキャラが二人いて、ひとりは勇利のコーチヴィクトル・ニキヴォロフ、もうひとりはベテランスケーターのクリストフ・ジャコメッティ

……が、周囲がそれをまったく気にしないんです。

たぶんゲイ(明言はされてないので微妙だけど)のクリスも普通に友達付き合いしてるし、ヴィクトルと勇利がおそろいの指輪していても金メダルのほうが気になっているスケーターたち。

彼らが優しいのもあるんですが、同時にスケートモンスターであるという理由もあると思うんです。スケートの神様のもとにみんな平等!実力がすべて!

男どうしでイチャイチャしてても咎めるわけでもないし、逆に変にやさしいわけでもない。この距離感がかっこいいです。こういう風にマイノリティの人に接せれば素敵でしょうね。現実はなかなか難しいけれど。

でもそういう理想を描くことで、「自分はどうだろう?」と心に問い直すことができます。美しくも怖い描き方です。

 

君に必要なものは愛だよ

YOIの魅力が「愛」というテーマ。でもこの「愛」は性愛だけでもないしカップリング的な愛だけでもありません。

家族との愛、地元への愛、スケートという競技への愛、音楽への愛、異性との愛。なるべく多様な描かれます。

おじいちゃんっ子のロシアの方のユーリ、友達を得たオタベック、そういうシーンがあってこそ、男同士がイチャイチャしてても「それは愛だね」って受け入れられましたね。

作品の中で多様な愛を肯定したあとで、男どうして指輪交換した結果「よかったね、おめでとう!」ってなりました。

どうでもいいけど男女カプの民すら、「よかったね」って言っててこの作品のすごさを感じましたよ。

 

自分の殻を破るということ

YOIのもう一つのテーマが「自分の殻を破ること」だと思っています。

勇利はセクシーなプログラムに挑戦し、ロシアのユーリは自分の性格とは違うアガペーをテーマに滑ります。ヴィクトルも勇利との交流を通して、「フィギュアの神様ではない自分」を知っていきます。ごつくて荒々しい外見のスケーターですら、失恋をテーマにメロドラマ的なプログラムを演じます。

そしてそういう過程があるからこそユーリとヴィクトルがチューしようが(微妙にわかりにくい構図になってるから確定ではないけど)ハグしようが指輪をつけようが「先入観にとらわれてはダメだな」と自然と見れました。

なんかもう……一つの視点にこだわっていたら自分の真実は見えないね。

 

まとめ ユーリ!!!on ICEは腐向けアニメなのか

ユーリon Iceは腐向けアニメなのか、という言葉には「イエス」と思います。メインターゲットはそれであるということは否定できません。

でも同時に、この作品は「すべての人向けのアニメ」になろうとしていると考えます。「愛」という普遍的かつ多様なテーマや、セクシュアリティに対する優しいドライさから、それを感じます。

だから極端に男がイチャイチャするのが嫌だ!っていう人以外は見てほしいなと思います。よろしく!