ブックワームのひとりごと

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終わりゆく世界で何を救う 『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?5』感想

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kindleで通勤時間にゆっくり読んでいたらいつのまにか続編が出ていました。

リアルタイムで刊行しているものだと速さに驚きますね。 

終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#05<終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?> (角川スニーカー文庫)

 あらすじ

過去の記憶を失い、エルクという少女とともに暮らすヴィレム。しかしその内部では獣の力がうずまいていました。一方浮遊大陸では、獣に対する新兵器が登場し、妖精たちの立場が危うくなります。

 

最後まで美しい悲劇だった

この作品のミソは美しい悲劇であることだと思っているので、そこが踏襲されてよかったです。

ヴィレムの決断は、世界の滅亡を早めるだけのものなんですが、それゆえに悲しい物語にふさわしいものでした。世界ではなく大切な人を守ってしまうのはべたべたなんですけれどぐっときます。

しかし3、4巻の盛り上がりに対して結構淡々と終わってしまった気がするので、最終巻としてはもう一声あるとうれしかったです。

サブキャラの話ももっと読みたかったなあ……人外好きとしてはいろんな種族が見たかったですし。

 

総評:ハーレムだけど楽しくない

この話、一応ハーレム要素があるんですがそのことがあまり気にならなかったです。というのも妖精たちにとって男性が物珍しかったことと、幼児の父親への初恋みたいなところがあるからだろうなと。

あくまで直接はいちゃいちゃすることはなく、ほのめかす程度の恋心がメインだったので、あんまり主人公に敵意を抱かず読めました。

ちゃんとメインヒロインたるクトリの心情を最初の3巻で書ききったところも、作品としてはよかったです。

読んでいて楽しい気分になる話ではないのですが、ちょっと希望もあるのでつい読み進めてしまいました。

 

まとめ 

面白かったんですが、結構この5巻で満足してしまったので、続きを読むかは微妙なところです。電子書籍セールとかあったらまた買ってみようかな。

読むとしたらどちらかというと完全新作がいいですね。