めっっっちゃ怖かった……ホラー耐性はあるほうなのにガタガタ震えてしまいました。二度と読みたくないです。
あらすじ
事故にあい、記憶と片目を失った主人公。移植された眼球は、自分でない人の記憶を映し出しました。眼球を通して事件を目撃した主人公は、眼球の提供者の故郷に向かいます。そこで彼女が知った真実とは……。
怖い怖いぐろい怖い
この小説本当に怖かった……グロデスクさ、狂気性、描写、どれをとっても本当に怖いです。
ただグロいから、狂気的だから怖いのではなくて、それがきちんと物語に必要性があって、なおかつ映像的にくっきり想像できる描写力で語られているのが怖すぎました。読み終わって本当にほっとしました。
提供した眼球から死者の記憶を見るというのはブラック・ジャック の『瞳の中の訪問者』など複数読んだことがありますが、どれとも違う凄みがありました。
今も感想書いていると体がぞわぞわしてきます。あまり存在を思い出したくない小説ですね。
ストーリーの巧みな伏線
もう一つ面白かったのが丁寧な伏線と、後半の回収の仕方です。そもそもなぜ眼球が記憶を持っていたのか? という理由にもアンサーがありますし、犯人の正体にはぎょっとします。そして、主人公である気弱な「私」が最後の最後でさよならをする展開はちょっとしんみりしました。
詳しくはネタバレになるので書けないのですが、ここまで伏線を回収して、終盤が駆け足に感じないのがすごいです。やっぱり乙一は上手いなあ。
二度と読みたくない思い出したくないとは思いますが、物語の畳み方は素晴らしかったです。その部分だけは思い出したいですね……。
まとめ
グロいしめちゃくちゃ怖いので、気軽におすすめできる作品ではありませんが、ホラーが好きな人にはぜひ読んでほしいです。
読むのは辛いですが、クオリティの高い素晴らしい小説でした。
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