ブックワームのひとりごと

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冴えない数学教師の生涯をかけた献身 『容疑者Xの献身』感想

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容疑者Xの献身を見ましたよ!

実写化として評判がいいので、一度見てみたかった作品です。やっぱり愛の重い男は怖いです。

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あらすじ

元夫を殺してしまったシングルマザー。隣人である石神は、彼女を警察から逃れさせるために暗躍します。一方彼は、警察に捜査協力している物理学者、湯川の友人でもありました。彼を怪しく思った湯川は石神に接触しますが……。

 

 

俳優たちの演技

原作はすでに読んでいるので、ストーリーは頭の中に入っていました。だから、見どころは演出や俳優の演技になってしまいます。

俳優たちの演技はすごくよかったです。石神は暗くて表情に乏しい男なのに、それでいて微妙ににじみ出る感情がありました。そういう繊細な表現をやってのける俳優という仕事はかっこいいものですね。

探偵役である湯川もあまり感情を顔に出さないのですが、「友達なんかいない」と言われたシーンで傷ついた顔をしているのがちょっと愛しかったです。湯川もあんな表情をするんだ……。

登場人物の表情と、俳優たちの名演を観察していくのが楽しかったです。

 

映画特有の伏線の描き方が面白い

もう一つ面白かったのが、作中に登場したちょっとした道具がのちに重大なアイテムとなること。しかもその出し方がさりげない。

あらかじめストーリーを知った状態でも、映画の中に込められた伏線を見つけると嬉しくなりました。映画から見た人も、もう一度見ると発見があるのではないでしょうか。

小説をそのままコピーした伏線にするのではなく、映像の中で映えるような表現に置き換えているところが興味深かったです。メディアが変わると作品も変わるんですね。

原作の雰囲気を踏襲しつつ、映画でしかできない表現をしようとしているのだなと感じました。

 

まとめ

原作のストーリーも面白いんですが、映画でこそ見せられる表現をきちんと示していて、好感が持てる実写化でした。

特に石神の演技は見ものなので、愛の重い男が好きなみなさんはぜひ見てみてください。

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容疑者Xの献身 (文春文庫)

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