将棋のルールはさっぱりなんですが、先崎学のエッセイが好きなので読んでしまうという。
知らないゲームの実況を見るのに近いかもしれません。
書籍概要
プロ棋士、先崎学の趣味の一つである囲碁。妻や友人などの囲碁棋士との交流の中で、囲碁と将棋の違いや、囲碁を趣味とする将棋指したちの日常を語っていくエッセイ本。
文章がシンプルで読みやすい
先崎学の文章とても好きなんですよね。軽妙でさくさく読めるけれど、安っぽい感じがしないところがいいです。気取ったところがなく、ちょっとした日常も面白く見えるから楽しいです。
将棋の専門家なのに、囲碁雑誌に連載するという謎のお仕事も、この人だとしっくりきてしまうので不思議ですね。
短さも内容も通勤電車で読むのにちょうどよかったです。エッセイは肩の力を抜いてちょっとした時間に読み進められるから楽しいです。
内容のゆるい感じと、しっかりした文章力があってこそこの人のエッセイは面白いんだなとしみじみ思いました。
囲碁と将棋の間で
両方やっているからこそ分かる、囲碁と将棋の差の話も面白かったです。
意外とタブーが多い囲碁業界というのに特にびっくりしました。どの業界も何かしらタブーはあるけれど、こうしてちょろっとでも見せてもらえると、野次馬精神が刺激されてしまいます。詳しく知りたい……。
囲碁と将棋、似たようなボードゲームに見えても、戦いの展開の仕方はまったく違います。比較できるのは両方やっている人の強みです。
相変わらずルールはさっぱりだけれど、誰かが好きなものについて語っているのを見るのが好きだから、結構楽しめてしまうんですよね。囲碁もそうだし将棋もそう。
仕事なので楽しいばかりではないでしょうが、こうして日常を垣間見ることができるところにお仕事エッセイの面白さがあります。
まとめ
ゆるっと読める内容でありながら、自分の知らない世界のことについてたくさん知れる、エッセイらしいエッセイだなと思います。
また他の書籍も読んでみたいですね。