ブックワームのひとりごと

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少年は謎の少女を救うために命をかける 淡路帆希『ひとしずくの星』感想

ひとしずくの星 (富士見L文庫)

綺麗な表紙が気になって手に取った本です。

振ってくる星が美しいですね。

 

あらすじ

「星の災禍」で家族を亡くし、神官として修業するラッカウスは、森の中で謎の少女と出会う。赤ん坊のように無垢な彼女をシースティと名付け、言葉や物事を教えていくラッカウスだったが……。

 

ベッタベタだけどシースティかわいい

国家の命運を握る謎の少女と、少年の交流というのはべたなんですが、こういう直球の描かれ方をしているものを読んだのが久しぶりだったので新鮮に読めました。

ヒロインのシースティがかわいいです。赤ちゃんのような態度から、少しずつ情緒を身に着けていくのが微笑ましいです。

特に木漏れ日のシーンはすごくかわいかったです。シースティのキャラクター性を表したとても美しい場面でした。

対する主人公のラッカウスは、特殊な才能を持つ代わりに、性格的にはわりと平凡なキャラクターです。この普通さが読み易くて良かったです。特殊な設定でも話に入り込みやすかったです。

二人の交流は素直に応援したくなりました。

 

メリバは扱いが難しい

この作品はいわゆるメリーバッドエンド(メリバ)な結末を迎えます。

それがちょっと個人的にすっきりしなかったです。つまらなかったわけではないんですが、うーん、という感じ。

メリバそのものは好きなんですが、「こうなるしかなかった」という説得力があってほしいんですよね。それを思うとこの作品にはほかに道があった気がします。

どうしても若気の至りで国を滅ぼした(ネタバレ反転)という感情がぬぐえないので、「若さ」以外に彼がああいう行動に至った理由があったらまだ納得いったかもしれません。

かなり好みが分かれるエンディングだと思います。感想も人によってまったく違うものになるでしょう。

 

まとめ

キャラクターは好きですが、個人的にラストは納得いかないものになってしまいました。

でも雰囲気はとてもいいし、好きな人は好きだと思います。

 

ひとしずくの星 (富士見L文庫)

ひとしずくの星 (富士見L文庫)