ブックワームのひとりごと

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伏線のリンクがズートピアを救う 『ズートピア』再視聴感想(ネタバレあり)

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ズートピア (吹替版)

Kindle電子書籍を買ったら、amazonビデオのクーポンを貰ったのでズートピアを再視聴しました。

せっかくなので前回の感想でできなかったネタバレ感想をやります!

honkuimusi.hatenablog.com

あらすじ

ウサギ初の警官になったジュディは、「だれでもなんにでもなれる街」ズートピアにやってきた。しかしそこには理想とは程遠い現実があった。無理やり捜査の仕事をもぎ取ったジュディは、詐欺師のキツネ、ニックを巻き込み、行方不明事件の捜査を開始する。

 

弱者による差別を描いたことがすごい

ズートピアですごいのは、弱者による差別を真っ向から描いたところだと思います。普通こういう話だと「強い肉食獣が草食獣をいじめている」という構図になってしまいがちです。だけどそうならない。

その象徴的な存在が悪役のベルウェザー副市長。彼女は多数派である草食動物のための社会を作ろうとしました。それだけを見ると一見正しいように見えるけれど、「本当にそうなのか? 固定観念に惑わされていないか?」と映画は問いかけてきます。

「肉食動物は草食動物を差別するに違いない」という考え自体が差別であり、犯罪の原因にすらなる。それを思うと多文化社会というのはものすごく難しいですね。

でもその難しさを受け止め乗り越えた先に、ニックとジュディというバディが生まれる。それはハッピーエンドと言ってもいいものだと思うんです。

 

伏線の張り巡らせ方が恐ろしい

見返していると鬼のような伏線の張り方&回収の仕方がすさまじくていっときも目を離せません。ながら視聴しづらい。

作品終盤でブルーベリーがキーアイテムになるんですが、それがかなり序盤で登場していることが恐ろしいです。それ以外にも何度も出ているので、間違い探し的に探してみてください。

「夜の遠吠え」のヒントを与えたのが、ジュディにキツネへの潜在的トラウマを与えたギデオン・グレイだったのも象徴的だな、と思います。ジュディの両親がキツネへの偏見を改めたのはジュディの影響で、彼女の両親と取引を始めたギデオンがズートピアを救うヒントを与える。それってもとを正せばジュディのまいた種がズートピアを救ったんですよね。

風が吹けば桶屋が儲かるレベルの伏線のリンクが、大きなエンディングにつながるのは本当に美しいです。

 

まとめ

見返すといろいろな発見があって面白かったです。ズートピアも地上波でやってくれないかな。いつか。これはいろんな人に見られて欲しいです。

それまで私はズートピアはいいぞって言い続けるので……。

ズートピア (吹替版)

ズートピア (吹替版)