ブックワームのひとりごと

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船に乗り込んだ謎の紳士は吸血鬼だった ジョージ・R・R・マーティン『フィーヴァードリーム 上』感想

フィーヴァードリーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)

吸血鬼小説を読んでいくシリーズ。作者は『氷と炎の歌』の人なんですね。

 

あらすじ

事故で船を失った船長アブナーは、謎の富豪に出資を持ちかけられる。彼は船を作り、共同経営者になりたいと言う。「フィーヴァ―ドリーム」と名付けられた船は旅立った。しかし、富豪ジョシュア・ヨークには秘密があった。

 

二つの視点から描かれるドキドキ感

この作品はふたつの視点から描かれています。ひとつは、ジョシュア・ヨークが何者なのか不審に思っている船長アブナーの視点。もうひとつは、冷酷な血の支配者(ブラッドマスター)ダモン・ジュリアンの視点です。

ふたつの視点のリンクがどうなっていくのか、はらはらしながら見ました。さりげないミスリードが仕込まれていて、気づいたときにははっとしました。

この作品が吸血鬼ものだということは比較的序盤でわかります。しかし、主人公アブナーが気づくまでは時間がかかるので、読者として「早く気づきなよ!」と話しかけたくなってしまいました。

いいところで上巻が終わってしまい、引きのうまさを憎く思いながらこの感想を書いています。

 

奴隷制時代のアメリカの栄光と影

この作品の舞台は奴隷制時代のミシピッピ川です。黒人奴隷は容赦なくこき使われ殺されています。

奴隷制時代の小説を読む機会が少ないので、なんだか新鮮でした。確かに吸血鬼ものと相性がいいかもしれません。

同時に、船のきらびやかさ、蒸気船に乗る船乗りたちの文化がよくわかって面白かったです。そのシーンがはつらつとして明るいほど、闇の部分が深くなります。

美しい部分と凄惨な部分がバランスよく展開していき、ひとつの物語が生み出されていきました。

タイトルにもなっている「熱」(フィーヴァー)という言葉が話を引っ張っていってくれます。

 

まとめ

吸血鬼+船乗りものという設定が面白かったです。描写もそれに負けず劣らずかっこよくドロドロで楽しいです。

下巻を読むのが楽しみです。

 

フィーヴァードリーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)

フィーヴァードリーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)

 
フィーヴァードリーム〈下〉 (創元ノヴェルズ)

フィーヴァードリーム〈下〉 (創元ノヴェルズ)