一巻完結ライトノベルのおすすめ記事にあった本です。本当は感想を読む前に読んでほしい本です(矛盾)。
あらすじ
高校最後の年、「僕」中崎は、謎の幽霊に学校の七不思議にされる。七不思議と交流して力を借りることができるようになった彼は、ストーカーに悩まされていた朝倉さんを助ける。彼は朝倉さんと交流するようになるのだが……。
ほのぼのからのラストにびっくり
のんびりした連作短編ものかと思いきや、終盤にかけての展開にびっくりしました。まったく事前情報を仕入れていなかったので、衝撃的でした。
ネタとしては珍しいものではありませんでしたが、伏線の張り方が自然で本当に築きませんでした。
こういう作品は、過程が面白くないことも多いのですが、そこに至るまでの描写が丁寧で面白かったのがよかったです。主人公二人も特別個性的というわけではないですが、親しみを覚える素敵なキャラでした。
衝撃的な展開だけに頼らないところに、作者の構成能力の高さを感じました。思わずどこからが伏線だったのか読み返しました。
少し切ないけれど、希望の残るエンディング
衝撃的な展開からのエンディングも素晴らしかったです。
完璧なハッピーエンドではないのですが、それぞれが前に進んでいく決意を持っているのが感動しました。
主人公を見守ってきたテンコも優しいです。最初はネタキャラだと思っていてすみませんでした……。終盤の怒涛の展開で株を上げてくれました。かっこいい幽霊に会ってみたいです。
まだまだ苦難はあるでしょうが、モラトリアムから抜け出し、自分自身の人生を歩き始めていく姿は、応援したくなります。
ラストのイラストが、彼の青春の終わりを感じさせて、また切なかったです。バスは進んでいくんだなあ……。
まとめ
事前情報なしで読んでよかったです。気持ちよく騙されました。
一巻完結なので、お勧めしやすい小説でもあります。ぜひみんなに読んでもらって騙されてほしいです。びっくりするので!