ブックワームのひとりごと

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ロンドンで次郎は運命の吸血鬼に出会う あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS4 倫敦舞曲』感想

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BLACK BLOOD BROTHERS〈4〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲 (富士見ファンタジア文庫)

吸血鬼小説を読むシリーズつづき。

 

あらすじ

大日本帝国の軍人だった次郎は、渡航先のロンドンで切り裂きジャックの再来となる事件を調査する。浮かび上がってきたのは、夜の住民たちの存在だった。男装の麗人カサンドラは、特別な力を持つ友人アリスを追うが……。

 

アリスの能力すごい

次郎の闇の母たるアリスのキャラクターがすごかったです。

童女のような純真さと、女神のような厳格さや神聖さが同居している不思議な女性です。次郎が魅力を感じるのも、さもありなんという感じがします。あんな女性がいたら惚れてしまう。

これだけいろいろな一面を描いて、キャラクターとして破綻していないのが素晴らしいです。どれだけヘタレな面を書いても、彼女の神秘性そのものはぶれない。

彼女が楽しそうにしているとにこにこするし、悲しそうにしているとこちらも哀しくなってきます。性格が変わったキャラなので感情移入とはちょっと違うんですが、彼女の感情に私が引きずられていくような漢字がしました。

 

本編のキャラたちの昔と今

今回は過去編だけあって、本編のキャラクターの昔の姿が見れました。

比較的まともなカサンドラが見られたのがよかったです。それでも変わり者には違いないんですが。このころは社会性があったんだな……。あと男装は私の性癖にクリーンヒットします。

お目付け役ケインの獣姿が見れてかっこよかったです。しかしあんなに大きい狼がいたら怖いでしょうね。

過去編とはいえまだまだ謎を残した部分もあり、それはこれから明かされていくのでしょう。カサンドラはどうしてあんな女性になってしまったんでしょうか。

真之は今回だけのキャラなんでしょうか。どこかでちょろっとだけ出てきてくれると私がうれしいです。

 

まとめ

霧の町でドンパチしつつ過去編も楽しめました。

謎はだいぶ続きに持ち越されましたが、ジローが吸血鬼になった経緯を知れたのはよかったです。