ブックワームのひとりごと

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「なんとなく」知っていたことに理由を教えてくれる 石井京子『人材紹介のプロがつくった 発達障害の人の就活ノート』感想

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発達障害の人の就活ノート

読みたい読みたいと思いつつ後回しになっていた本です。

 

書籍概要

コミュニケーションの不器用さや、得意不得意なことの偏りで、就労でつまづいてしまうことの多い発達障害の人たち。仕事として彼らを支えてきた著者が、就活にむけての心構えや、仕事の選び方について語る。

 

就活するうえで基礎的なこと

書いてあることは特別なことではありませんが、教えられたことを真に受けやすい、感情論が理解しにくい発達障害の人々に配慮した文章で読みやすいです。

自分なりに工夫できること、努力できることを中心に書かれているのがよかったです。実現不可能なことを言われても困るだけなので……。

同時に発達障害というと特別な才能を持っている人もいますが、その才能で食べていくことは難しい場合もある、ということがはっきり明言されていました。

これは「夢を持つことはいいことだ」と言いながら、なんだかんだで夢追い人の肩身が狭い世の中の責任もあると思います。

そりゃ定型発達の人はほどほどのところであきらめる前提なんだろうと思いますが、アスペルガーの人にはそういうことわからないからなあ……。

 

充実のコラム

発達障害の支援をしている団体の代表などがコラムを寄稿していて、それも面白かったです。

興味深かったのは株式会社Kaienの話です。発達障害の人にソフトウェアテストの仕事をしてもらっている会社です。

障害者として保護されるだけでなく、資本主義の中で利益を出せるような雇用をしたいという姿勢はかっこよかったです。

そのほかにも、発達障害を持つ女性からの就活へのアドバイス、学校を卒業した発達障害の人に社会性を身に着ける学校翔和学園の話など、自分が知らないことを書いていて新鮮でした。

 

まとめ

特別なことを書いているわけではないんですが、「なんとなく」で済ませていたものに明確な理由がついてすっきりしました。

 シリーズがいろいろあるので、そちらの方もこつこつ読んでいきたいです。

発達障害の人の就活ノート

発達障害の人の就活ノート

 
発達障害の人の内定ハンドブック―『発達障害の人の就活ノートII』完全版

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