いくつかのブログで紹介されていたので気になった本です。
いや~読むのが難しかった。
あらすじ
無政府主義者の団体の幹部「木曜」になった主人公は、そこで奇妙な体験をする。そこにちらつく自分たちのボス「日曜」の存在。果たして彼は何者なのだろうか。
かなり読みにくいがどこかグッとくる文章
昔の作品なだけあって、かなり読みにくい内容になっています。頑張って読んだけれど細部はあやふやです。
しかし楽しめなかったかというとそうでもありません。キャラクターのひとつひとつの言い回しがとても面白くて、難しくても最後まで読んでしましました。
「君なんか一度も本当に生きたことがないから、人を憎んだことがないのだ。僕は君たち全部が何なのか知っている。――君たちは権力を持った人間だ」
(P230)
こういう台詞、現実ではそう言う機会ないと思うんですが、物語の中だときちんとリアリティを持っているように見えるのが面白いです。
人を食ったようなエンディング
これからどうなるんだろうと読み進めていくと、どこかとぼけたようなエンディングを迎えます。これを「推理小説」だと思って読んでいた人は怒るかもしれません。
でもこの終わり方は嫌いじゃないです。この小説にはわかりやすいオチは似合わなかったんだろうなと感じました。
再登場したあの人の立ち位置が、がらっと変わっているのも面白いです。本人は変わっていなくても、周囲の視点が変わっているというね。
へんてこな作品なんですが、どこか含蓄があるような、ないような。そして読者をあえて突き放すような本でした。
面白かったところを表現しにくい作品です。
まとめ
難しくて読みにくいしオチも謎なんですが、それでも結構面白かったです。
昔の本は読むのが大変なんです。それでもたまに読むと今と違った発想があって楽しいです。