ブックワームのひとりごと

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人見知りの著者のブラジル町での友達チャレンジ 中川学『群馬県ブラジル町に住んでみた ラテンな友達づくり奮闘記』感想

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群馬県ブラジル町に住んでみた ラテンな友だちづくり奮闘記 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

日本にブラジルの人がたくさんいる町があるのは知っていましたが、それがどんなものなのかは知らなかったので手に取った本です。

 

あらすじ

「外国の人と友達になりたい」と思っていた著者は、群馬県にブラジル人が多く住む地域、大泉町があることを知る。そこで生活すれば外国人の友達がたくさんできるかもしれない。そう思った著者はその街に移住するが……。

 

コミュ障の著者を観察する漫画

「外国の友達ができて楽しいな」という本かと思ったら、ページのほとんどで著者がなかなかブラジル人たちの輪に入れず、もだもだしているという話でした。

でもそのもだもだ具合がおかしくて、ふふっと笑ってしまいます。一般的な日本人はそういうときなかなかノれないですよね……。

そんな著者が、自分なりに工夫して友達を作ろうと奮闘する姿が面白かったです。

終盤のビデオショップの店員さんとの交流が、ほほえましかったです。ささやかだけれど、「友達」ができてよかったですね。

人見知りの人が努力の果てに友達を得る、というのはありがちなストーリーですが、著者の人見知りっぷりがリアルで面白く読めました。

 

移民、出稼ぎブラジル人の大変さ

しかし、あまり深く描かれているわけではありませんが、日本にやってきたブラジル人は苦労も多いみたいですね。

町で仕事を紹介してもらおうとした著者が、「友達を作るために仕事をするなんて失礼だ。みんな生活がかかっているんだから」と門前払いされたシーンが印象的でした。

かなり大きなコミュニティがあるとはいえ、日本では立場がよくない人々なんだろうな……と感じました。

少子化の今、移民の議論がなされています。移民国家はまだできていないけど、「移民の町」はすでにあるんだなあと思いました。

ふと目を向ければ、ごく近くに外国人がいる社会なんですよね。もうすでに。

 

まとめ

著者のコミュ障っぷりが面白くて笑いました。

日本にはすでに「移民の町」があることがわかるエッセイコミックです。読むと移民を身近に感じるかも。

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