ブックワームのひとりごと

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濃いキャラクターが毎日お祭り騒ぎ 森見登美彦『有頂天家族』感想

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有頂天家族 (幻冬舎文庫)

この、めちゃくちゃダサい二重カバーはなんとかならんかったのか。アニメ絵でもいいから、もっと持ってて楽しいデザインにしてほしいです。

 

あらすじ

父親が人間たちに狸鍋にされてしまった狸の四兄弟。しかしその息子たちは阿呆ばかりだった。主人公である矢三郎は、さまざまな姿に化けてふらふらしつつ、天狗や狸の間を駆け巡る。

 

めちゃくちゃな展開でも「この話ならいいか」と思ってしまう

開始早々、父親が狸鍋になったことが明かされるあたりで、「あっこの本はまじめな気持ちで読まなくていいんだな」と思いました。

次兄がカエルだったり、許嫁が姿を見せなかったり、主人公が喰われかけたり。天狗の力を持つ人間がいたり、関西弁で言うと「わや」な話ですね……。

かなりめちゃくちゃな展開も多いんですが、作品に漂うあほっぽい雰囲気はぶれないので、どんどん許してしまうところがあります。「この作品ならこういう展開でもいいか」という気分になってきます。

お祭りに行ったときのような、無礼講で非現実的なファンタジーでした。ギャグでしかないけれど、ある意味これも幻想的な話なのかもしれません。

 

弁天かわいい

もう一つ面白いのは、主人公をはじめとするキャラの濃さですね。

私のお気に入りは弁天です。やってることは地雷女みたいなものなんですけど、よーく見るとデレが隠されていて憎めないんですよね……。そして何より美人。

続きを読めば、彼女の恋心についても明かされるのでしょうか。

ツッコミ役をするはずの矢三郎もだいぶ変です。面白いことを至上のものとしているところがおかしいです。狸が化けたへそ石をあぶったエピソードでは、もっと反省しろよ! というところがありました。

そんな濃いキャラクターばかりな部分が、へんてこでお祭り騒ぎみたいな小説世界を盛り上げてくれています。

 

まとめ

わいわいした感じで面白かったです。続きも買っちゃったのでちまちま読み進めたいですね。

余談なんですが、フォローしてる方が二代目にはまってたから買ったのに、一巻には出て来ないことに読み終わってから気づきました。

 

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

 
有頂天家族 二代目の帰朝 (幻冬舎文庫)