このAmazon画像には反映されてないけれど、二重カバーださすぎ問題はこの巻でも続いています。
本当にもうちょっとかっこいいカバーにしてほしいです。
あらすじ
京都の町に赤玉先生のかつての弟子「二代目」が帰ってきた。二代目は、赤玉先生と弁天を憎悪しているようで……。一方矢一郎は着々と狸の惣領偽右衛門に就任する準備をするが、そこにはある陰謀が隠されていた。
狸の恋愛模様ににこにこする
この巻は、本当に狸たちの恋愛模様がかわいかったです。
本来であれば恋愛要素はそんなに重視するほうではないんですが、狸たちが魅力的なのでみんなかわいいな……とほほえましく思えました。
毛玉がころころして恋をしているシーンがそもそもかわいすぎる。毛玉って得ですよね。
最後の神社のシーンでは、群衆に混じっておめでとうと言いたくなってしまいました。私は読者なのに。
赤玉先生が意外とキューピット役として優秀なのも面白かったです。結構強引なんですが、そういうところが憎めないんですよね。
天狗たちの戦いと矜持と
狸たちがほのぼのとつがいを作っている一方、天狗たちが代わりにぎすぎすしていました。
あまりはっきり描写されていないから想像するしかないんですが、弁天も、代替物のように扱われていることに不満があるのかもしれません。
二代目も、ハイセンスな海外帰りの紳士の見た目のくせに、中身は完全な駄々っ子なのが最高でした。あの見た目で唯我独尊なのが本当にこう……興奮しますね。
天狗たちは本当に子どもっぽいけれど、「世界で自分だけがえらいと思っている」という設定上、どうしようもなく子どもになってしまうのが面白おかしいですね。
愛憎入り混じって戦いあがく、彼らの決着も非常に気になるところです。弁天の鼻っ柱を折ってほしくもあり、幸せになってほしくもあり。
まとめ
毎日がお祭り騒ぎなのは変わらず、読んでいて楽しい小説でした。
二代目と弁天の関係がどうなるか気になります。三部作らしいので、次回なんらかの決着を見るといいなあ。