ブックワームのひとりごと

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たくましくなった下僕、うじうじしている腹黒神父 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月波の調べ』感想

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スカーレット・クロス 月波の導べ (角川ビーンズ文庫)

 

あらすじ

「聖櫃」の「鍵」としてそれを閉めることを決意したツキシロ。その決意を知ったギブは、ツキシロを失いたくない気持ちと、聖職者の立場のあいだで葛藤する。一方、アザゼルの片割れハクティバは、もう一方の片割れイブリスとひとつになるため本格的に行動を開始し始めた。

 

オウカが悲しい

今回のオウカの決断はとても悲しかったです。どうにかならなかったのか、と思うも、彼女としてはそれ以外やりようがなかったんでしょうね。

知識欲と師匠との約束が、ここまで彼女を連れてきてくれたのかもしれません。

彼女を追って炎に飛び込もうとする師匠を見て、「本気で恋をしていたんだな」という気分になりました。

オウカの物語は悲劇的な話になってしまいましたが、彼女のやったこと、望んだことがこれからの物語でいい方向に向かえばいいなと思います。

でも、感傷かもしれませんが、師匠との約束はなんとかしてほしかったなあ……。ここで退場は卑怯ですよ!

 

変わっていくツキシロ、うじうじするギブ

覚悟を決めて強くなったツキシロの一方で、ギブはどんどんぐだぐだうじうじするようになってしまいました。大丈夫か、この男。

さすがにすんなりツキシロが「鍵」にはならないと思うので、ギブがこれからどういう決断を下し前に進むのかが楽しみですね。

第二部に入ってあまりいいところがないから、最後にはちゃんとかっこいいところを見せてほしいものです。ヒーローなんですからね!

ツキシロは強くなったけれど、その分危ういところも持ってしまいました。ギブはちゃんとツキシロの手綱を持っていられるのでしょうか。この分だと振り落とされそうな気もしてきます。

二人とも、ひとつの決着を目指してがんばってほしいですね。

 

まとめ

今回も面白かったです。オウカの話はつらかったですが……。

続きが気になる展開で、早く読みたいですね。

混ざりものの月―スカーレット・クロス (角川ビーンズ文庫)

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スカーレット・クロス 月波の導べ (角川ビーンズ文庫)

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