ブックワームのひとりごと

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児童シェルターで働くグレイスの成長を通して前向きになれる 『ショート・ターム』感想

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映画を見ながらとうらぶのイベントを走るので、これから映画感想の更新が増えそうです。

 

あらすじ

家庭や自分自身に何らかの問題を抱える子どもたちを保護するシェルター「ショート・ターム」。そこで働くグレイスは、ボーイフレンドのメイソンの子どもを妊娠する。喜び結婚しようと言うメイソンだったが、グレイスは過去のトラウマゆえに躊躇してしまう。

 

少しずつ明かされるグレイスのトラウマ

傷ついた子どもたちを保護し、彼らが日常に戻る支援をするグレイス。しかしストーリーを追っていくうちに、彼女のトラウマが紐解かれていきます。

その示し方がさりげなく、ラスト付近でグレイスがそのトラウマを口にしたときには胸が詰まりました。

過去に対する彼女の思い、そのトラウマを話してほしいとずっと思っていたメイソンの苦しみが、丁寧に描かれていて飲み込まれるようでした。

彼女が最後には一歩踏み出して、心を開く練習を始めたのが救われた気持ちになりました。

すべてが解決したわけではないけれど、彼女は変わろうとしています。それが視聴者である私にとっても嬉しかったです。

 

ハッピーではない、けれど前向きになれる映画

この世にはどうしようもない悲しみが存在しているけれど、それでも生きていける、誰かを愛せる、という前向きさがよかったです。

人の綺麗な部分だけを見せるのではなく、弱いところも醜いところも見せて、それでも優しい気持ちになれるそのあたたかさにほっとしました。

これはグレイスの物語なので、グレイスの心が一区切りついたところで終わります。けれど登場したキャラクターたちにはみんな幸せになってほしくなりました。それが困難なことはわかっていますが、それでもそう願わずにはいられません。

そして序盤のリフレインで終わるラストシーン。登場人物の過程を見てからこれを見ると、とても美しい結末だと思いました。これからも、彼らの生活は続いていくんですね。

 

まとめ

非常に地味な作品でしたが、それゆえに優しく、美しい話でした。

悲しいシーンもありますが、最終的には前向きになれる映画です。見終わって少し元気が出ました。

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