レンタルコミックで借りてきた作品。短いのでさくっと読めていいですね。
あらすじ
身長180cm超えの女の子、武蔵は高校生になる。彼女には、中学の公式試合で「バレーを辞める」と宣言した過去があった。しかしバレー部長との勝負に負けてバレー部に入った彼女は、そこであった体罰事件を知る。
ポップだけれど深い心理描写
まず面白かったのが、ユーモアがありつつ心に迫ってくる心理描写ですね。
主人公武蔵を含め、何かに意地になってしまっている女の子が多いです。それをコマいっぱいの文字であふれるように表しているのが、強烈でよかったです。
口に出せない言葉も、出してしまった言葉も、この子たち生きているんだな、と熱烈に感じました。ポップであるけど生々しく、深い感情を持っています。
そして集大成として描かれる試合シーンは、感情と肉体のうねりが一体となって盛り上がりました。それぞれの感情が合流し、試合としてひとつのものになる感じ。
この試合を目の前で見たい、彼女らを応援して熱くなりたい、と思えた作品でした。漫画だけれど。
たぶん打ち切りなので少し中途半端
1、2巻を読むとたぶん長編を前提にして組まれた作品だったと思うんですが、3巻で終わってしまっています。そのせいで少し中途半端になってしまっています。おそらくあまり売れなかったんでしょうね。
とはいえ登場人物の心情的には一区切りついているので、尻切れトンボというほどではなかったです。主人公武蔵の未来を暗示して終わる物語は、これはこれで面白かったなと思えました。
もう少し長く彼女らを見ていられればよかったんですが、いかんせん読むのが遅すぎましたね。読みたい漫画はすぐ読んでお布施しないとなあ。
次に作者の作品を読むときは、完結する前にちゃんと買って読もう……と思いました。作者を応援するのはすぐにやらないと。
まとめ
少し中途半端な部分もありましたが、面白かったです。
この作者の空気感がとても好きだということを再確認しました。ふわっとしてて、ユーモアがあって楽しいんですよね。