ブックワームのひとりごと

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霧を超えてふしぎな町で奉公生活 柏葉幸子『霧のむこうのふしぎな町』感想

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霧のむこうのふしぎな町 (新装版) (講談社青い鳥文庫)

おすすめの児童文学記事に載っていた本です。

 

あらすじ

夏休み、霧のむこうの町にやってきたリナ。そこは魔法使いの子孫が暮らす町だった。少し不思議なことが起こるその町で、リナは他の人の手伝いをしながら暮らす。

 

ちょっと不思議な物語

話のテンポがよく、さくさく読み進められました。不思議さの塩梅がちょうどいいところが好きです。

「一年中いろんな花を咲かせるためにストーブをたく」などの発想が面白くて飽きません。独特の世界観を持つ作品だと思いました。

リナが口の悪いオウム、バカメに言い返すシーンも好きです。見ていてすっきりしました。

虎のタマがかわいくて、でもユーモアがあって好きでした。虫歯になってしまってかわいそうでかわいかったです。おとなしい虎に触ってみたいなと感じました。

ほのぼのとしていますが、目立たない魅力があると思います。

 

暴言怖い

しかしこの本、「言葉」が怖かったなと思います。

結構嫌味とか、暴言が使われている世界観なので、物語として客観的に見るのはいいけれど、実際にはこの町に行きたくない……と感じてしまいました。

嫌味というものが苦手なんですよね、私。嫌味を言われていることに気づかないので。

あと、本文ではリナが太めの体型をコンプレックスにしているのに、挿絵ではどちらかというと細く見えるのは違和感がありました。

こういう挿絵の正確性というのが、どうしても気になってしまうタイプなんですよね。

挿絵はかわいくて絵柄そのものは好きなんですが、もう少し読み込んで描いてほしかったなと思います。

 

まとめ

面白かったけれど、少々不満の残る作品でもありました。

 書かれた時代の問題もあるかもしれませんね。

霧のむこうのふしぎな町 (新装版) (講談社青い鳥文庫)

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大おばさんの不思議なレシピ (偕成社文庫)

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