ブックワームのひとりごと

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動物の値段から、ペット業界や動物園の裏側がわかる 白輪剛史『動物の値段 満員御礼』感想

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動物の値段 満員御礼 (角川文庫)

ニコカド祭りのセールで買いました。今(2017年11月3日現在)もやってるみたいですよ。

 

書籍概要

動物園で飼われている動物はどこからやってきてどう売られるのか。動物商である著者が、動物の値段を明かしながらそれを語る。「動物を飼う」ということの裏側が見えてくる本。

 

あなたの知らない動物商の世界

動物商という職業が珍しいので、その仕事の一端が見れたのは面白かったです。

世界中を飛び回ってペットになる動物を探し、海外の業者と交渉し、空輸で日本に運ぶ。買い手がつくまでは自分たちで動物を管理しなくてはならない。やることが多くて大変そうでした。

紹介されている動物の値段も、予想通りのものもあれば、予想が大きく外れたものもありました。特にライオンは案外安いですね。

値段が高めのペンギンは、日本では増えすぎている種類があるらしくて意外でした。輸出すればお金になるし、野生のペンギンの保護にもつながるという意見にはなるほどと思いました。

 

理論に穴がありすぎる

読んでて思うのは、この人なんでこんなに自慢げなんだろう、ということです。

お仕事系の本で自慢げなのはよくある話ですが、「なぜそれを自慢するんだろう」という部分が多いです。

著者は「誇りをもって仕事している」と言いますが、ちゃんと理論武装できていないなという感じがします。たとえば「動物を飼うことで命の大切さがわかる」という意見には、「じゃあどうして犬や猫、またはもともと日本にいる動物ではいけないのか。海外の野生動物を飼う意味は何か」という話になってきます。

職業に貴賤はないので動物商であることが悪いわけではありません。野生動物を飼うのもきちんと管理できる限りはいいと思います。ただ穴だらけの主張を自慢げに語るのは正直かっこ悪いですね。

 

まとめ

情報としては面白かったです。ただあんまり、はっきりとした職業理念があるわけじゃないんだろうな……と思いました。

 動物と、それに関する裏事情が気になる人は読んでみるといいと思います。

動物の値段 満員御礼 (角川文庫)
 
動物の値段と売買の謎

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