ブックワームのひとりごと

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狼になって葬儀社から消えた死体探し 縞田理理『霧の日にはラノンが視える2』感想

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霧の日にはラノンが視える (2) (ウィングス文庫)

二巻目です。

 

あらすじ

ラノン人の運営する葬儀社で死体が消えた。死体が見つからなければ大騒ぎになってしまう。ラムジーは狼の姿になり、死体の行方を追う。「妖精たちの午後」と「ネッシーと《風の魔女》」「キス&ゴー」を収録。

 

みんないい人なんだけど、きちんとシリアスしている

この本は、ごく一部を除いて登場人物はみんないい人です。けれどほんわかしているわけではなくて、その中で悩み、苦しんでいるんですよね。

善意があるから、優しさがあるからこそ悩む部分がある。そういうシリアスの描き方が面白いなと思います。

イラストは、動物類の描き方がうまくて感心します。動物だけ下手という場合がよくありますからね……。描けるものの引き出しが多い方なんですね。

 

各話感想

「妖精たちの午後」

葬儀社からなくなった死体を探すラムジー。花屋で働くケリは事件に興味をそそられて……。

死体探しというおどろおどろしいテーマですが、結構ドタバタ劇でした。

事件を通して、ケリが自信を持つようになってよかったと思います。レノックスの人の好さもはっきり描かれていて、なんだか和みました。

 

ネッシーと《風の魔女》」

ロンドンに出てきたネッシーことアグネス。そこで世間知らずの女の子に出会い……。

こういう男性キャラが多数派の作品は、女の子の描き方がおろそかになりがちなんですが、この作品に登場する女の子たちはみんなかわいいです。よしよししてあげたくなりました。

女の子がいままでのしがらみから抜け出し、本当の意味で自立をしようとあがく姿がよかったです。

 

「キス&ゴー」

前話のあとのアグネスとラムジーを描いた掌編。

ラムジーの鈍感っぷりに笑いました。アグネス、頑張ってくれ。

 

まとめ

今回も面白かったです。次巻が楽しみ。

登場人物はほぼいい人なんですが、悩みを抱え、苦労を抱え、それでも生きていこうとするところが面白かったです。

霧の日にはラノンが視える (1) (ウィングス文庫)

霧の日にはラノンが視える (1) (ウィングス文庫)

 
霧の日にはラノンが視える (2) (ウィングス文庫)

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