ブックワームのひとりごと

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破滅の中でも土方はまっすぐで潔い 司馬遼太郎『燃えよ剣 下』感想

燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)

 本好きあるあるまんがでネタ元にしたのでお詫びに読みました。

honkuimusi.hatenablog.com

 

あらすじ

破竹の勢いで成長していく新撰組。しかし将軍徳川慶喜大政奉還し、風向きが変わる。官軍に追われ、戦いながら各地を転々とし、仲間の多くを失い、北海道にたどりつく。そこで迎えた新撰組の結末とは……。

 

滅びゆく新撰組の中で元気な土方

栄光の時間から、風向きが変わって滅びゆく時間になっていく対比が、なんだか物悲しいです。

でも、何かが滅ぶ話ってそれはそれで魅力があるんですよね。失われるものを惜しむ楽しさというのがあるからでしょうか。

しかしそんな滅びの時間の中で、戦うことしか考えていない土方は、ある意味潔いなと思います。ある意味、こういう生き方ができればすごく楽でしょうね……。

土方はよくいらいらしたりきりきりしたりしているけれど、本質的に不幸にはならないタイプの人だなあと思いました。すごくタフでうらやましいですね。

幸せな終わりではなかったけれど、それでも不幸ではなかった気がします。

 

すっごくエンタメ小説

読み終わって思い返すと、エンタメとして成り立たせる努力がすごかったなあと思います。

改行の多いところ、テンポのいい会話シーン、シンプルで読みやすい文体は、今読んでも古臭い感じがしません。テーマそのものは昔だけれども、すごく読みやすかったです。

タイプは違うけれど、現代のライトノベルにも通じるところがありました。

長いので読むのには時間がかかるけれども、とっつきやすい小説ではあるので、まずは気軽に読んでみてほしいです。

司馬遼太郎の本の中では、短いほうだと思いますし。

 

まとめ

歴史ものは、普段よく読むタイプの本ではないのですが、わかりやすさ、読みやすさにおいて学ぶところの多い小説でした。私もこんな明快な文章が書けるようになりたいです。

なるほどこれは流行りますわ。

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

 
燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)

燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)