ブックワームのひとりごと

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白いワンピース少女とひと夏の恋 助供珠樹『あの夏、最後に見た打ち上げ花火は』感想

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あの夏、最後に見た打ち上げ花火は (ガガガ文庫)

 

あらすじ

中学生の主人公は、白いワンピースを着た少女、ノアと出会う。彼女には記憶がなかった。ノアと交流するうちに心惹かれていく主人公。しかしノアの正体には、誰にも言えない秘密があった……。

 

 

昔のギャルゲみたいな話

記憶を失った白いワンピースの少女との恋物語……って、一昔前のギャルゲみたいな話ですね。

こういう話を最近読んでいなかったので、これはこれで新鮮でした。白いワンピース、結構好きです。実用性はないけど(透けるし汚れるので)。

正直「どこかで見たような」ストーリーではあるのですが、話に破綻はないし、キャラクターの描写もきちんとこなしているし、展開も過不足がなく進んでいきます。手堅い作品でした。

これでデビュー作ならなかなかのものだと思います。

著者は、今後文章や人物描写がうまくなっていったら、すごく面白い作品が書けるようになりそうです。

 

ひと夏の恋と多角関係

どこかからやってきた少女と、幼なじみ同士の多角関係がうまくかみ合って、ひとつの物語ができていたのがよかったです。

主人公の友達もいい奴で、安心して読めました。

主人公に思いを寄せていた彼女がちょっとかわいそうなんですが、彼女なりに幸せな恋をしてほしいところです。当て馬はしんどいことも多いですね……。作劇上必要になってしまうことも多いんですが。

主人公が中学生なので、下ネタを挟んでくることも多かったけれど、ほほえましい範囲内で終わってくれたのもよかったです。

だいたい妄想だけで、実際相手にエロいことをすることがなかったので安心しました。

やっぱり実力行使に出たらだめですよね……。

 

まとめ

ベッタベタな話でしたが、きちんと破綻なく展開された物語でよかったです。

今後、個性や能力を身に着けていけばいいものを書いてくれそうなデビュー作でした。

あの夏、最後に見た打ち上げ花火は (ガガガ文庫)

あの夏、最後に見た打ち上げ花火は (ガガガ文庫)

 
俺と彼女の恋を超能力が邪魔している。 (ガガガ文庫)

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