ブックワームのひとりごと

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天才パイロットがわがまま科学者のお守りをする 南井大介『小さな魔女と空飛ぶ狐』感想

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小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

 

あらすじ

天才的な飛行機の才能を持つ軍人、クラウゼ。彼は天才少女、アンナリーゼのお守りを命じられる。戦争を終わらせようとするわがままな魔女を、クラウゼは制御することができるのか……。

 

 

書きたいものを書きこなせていない

テーマやあらすじ、世界観は嫌いじゃないんですが、正直そのもろもろの設定を書きこなしていないと思います。

狂っている設定のキャラクターがいるんですが、そのキャラが「私は狂っている」と言い出し、自分の狂気について説明を始めます。

そういうことができる人って、狂ってるって言わないんじゃないかな……。

ヒロインも天才という設定なのに、行動や考え方にそれが感じられなくてどうにもすごいと思えませんでした。

形容詞は大げさだけれど、中身が伴っていないのですごく白々しかったです。

 

設定の虚実のバランスが悪い

あと気になったのは、設定の虚実のバランスの悪さです。

妙なところでがっつり設定があると思えば、「えっここをいいかげんに流すのか」と重要な部分でがばがばな設定を披露することもあります。

フィクションなので嘘をつくのは当然のことだけれど、嘘と真実の混ぜ方がよろしくないので、話の方向性がいまいちわかりませんでした。

調べて書いているということはわかってるんですが、調べた情報をきちんと整理できていないのではないかと思います。

とはいえデビュー二作目だし、七年前の作品なので、今はもう少しましになっている可能性もあります。

 

まとめ

久しぶりに酷評してしまった……。

でも引きずってもしょうがないから、考えをまとめたあとは、ネガティブな感情はすっぱり忘れます。

 

小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

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