ブックワームのひとりごと

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吸血鬼の娘がたどる、父と母の永遠の愛 野村美月『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる Long Long Engage』感想

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吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる ~Long Long Engage

ちょっと悲しくて続きが読めなかったのですが、ようやく補完編に手を付けました。

 

あらすじ

彼氏の神にプロポーズされ、一緒にイギリスに行かないかと持ちかけられたミナ。しかし彼女は、その申し出を断ってしまう。父をひとりにするわけにはいかないとミナは思う。父は、永遠に16歳の吸血鬼だった……。

 

ダイジェストなのでやっぱり駆け足

ダイジェスト仕様なので、やっぱり駆け足なところがあります。

仕方のないこととはいえ、じっくり読んだらもっと面白かっただろうなという残念さを感じますね。

ただ、昨今の出版事情を考えると、この補完編が出ただけでも奇跡みたいなものです。あまり贅沢も言ってられません。

ダイジェスト版ではありますが、詩也の娘のミナが父の過去をたどっていく内容になっているので、きちんとこの巻の展開とオチはあります。

この一冊で伏線をすべて回収しつつ、ミナと詩也の話としてまとめるのは大変だったと思うのですが、そこはさすがベテランだなと思いました。

 

繭奈がすごくてちょっと怖い

ダイジェストでありながら、内容は重かったです。

とくに、繭奈の決意はすさまじかったです。そこまでする覚悟があったからこそ、雫もその意思を受け入れたのだろうなと感じました。

感動的でもありますが、その強さはちょっと怖くもありました。だからこそ、主人公ミナとの対比になるのでしょうね。

ハーレムメンバーが、詩也への恋心にどう決着をつけたのかが書かれていなかったのが少し残念です。尺の問題もあるでしょうが。

オチがついただけ幸せだと思わなきゃいけないのですが、いざつくとやっぱり不満も出てきてしまいます。我ながらわがままな読者です。

 

まとめ

ちょっと消化不良なところはあるにせよ、補完編が読めてよかったです。

やっぱり完結後に読み始めると応援としてはいまいち伝わらなくなるのが悲しいですね。読みたい本は早く読まないとなあ。