ブックワームのひとりごと

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古い台本の呪いで嬉しくないハーレム状態 来楽零『ロミオの災難』再読感想

ロミオの災難 (電撃文庫)

好きだった本を読み返すシリーズ。初めて読んだのは大学生の時でした。

 

あらすじ

一年生五人だけの演劇部。文化祭の公演の相談をしていると、五人で演じられる『ロミオとジュリエット』の台本が落ちてきた。その台本を演じることにした五人だったが、なぜか部員たちの恋愛の矢印が、ロミオ役の如月に向き始め……。

 

主人公が幸せにならないハーレム大好き

自分のよくわからない趣味に、「主人公が幸せにならないハーレムが好き」というのがあるんですが、この趣味に合致する本で好きでした。

ハーレム状態で嬉しいな、という感覚ではなく、思い人の本心に悩み、操られた恋心によって騒動を起こす部員たちに悩み……という如月の心中が面白かったです。

そして終盤における、演劇シーンの怒涛の展開はすごく面白かったです。

基本的に青春ラブコメなんですが、その中で自分の感情に向き合い、結論を出していく少年少女たちはよかったです。

余韻のある終わり方で、今後の想像をしてしまうところも好きでした。

 

少し考えが古い部分もあった

読み返して気づくこともありました。男性同士がイチャイチャすることを「変態的」と言っちゃうのは考えが古いと思いました。

ただ、だいぶ昔の本だし、しょうがないところもありますね。内容を責めるより、自分自身が反面教師としておこうと思います。

その部分を置いておけば、ストーリーやキャラクターをうまく一冊でまとめていて、秀逸な作品だと思っています。

あと私はこの方の文章が好きなんです。わかりやすいけれど、ときどきはっとするような比喩を使うところが読んでいて楽しいです。

 

まとめ

紙の本は絶版状態ですが、Kindleや各種電子書籍で買えるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

 それぞれの恋心をきちんとまとめ切るストーリーテラー能力が魅力です。