昔好きだった本を再読するシリーズ。高校生くらいかな
あらすじ
共産主義者の父の影響で、幼いころをプラハの学校で過ごした著者。大人になった著者は、そのころの学友を訪ねていく。共産主義の崩壊と国の混乱を目の当たりにした少女たちは、どのような大人になったのか……。
昔に読んだときと考えが変わった
最初に読んだときはアーニャに対してすごくむかついた記憶がありますが、今読んでみるとそうでもなかったです。たぶん私自身の考え方が変わったからでしょう。
服を着替えるようにイデオロギーを着替えてのけるアーニャは、ある意味すごくたくましいのではないでしょうか。
思想やイデオロギーは人を幸せにすることもありますが、同時に重荷でもあります。それに縛られないアーニャがちょっとうらやましいです。著者の立場になると、はらわたが煮えくり返るだろうけれど。
アーニャは例として極端だけれど、昔に比べて「イデオロギーに準じること」が美しいものとは思わなくなりました。
故郷に対するフェアな感覚
アーニャをのぞいて登場人物は故郷を愛しているけれど、結構故郷に対して辛辣なところがいいですね。
愛しているはいるけど、盲目でないところがしっかりしていてよかったです。
なんでもそうだけれど、いいところと悪いところを見た上で「それでも好き」というのがフェアな感じでいいです。
あと下ネタが容赦ないところが笑います。下品なところもありますが、この人が書くと許してしまうんですよね。やっぱり教養があるからでしょうか。
まとめ
久しぶりに読んでみると自分の考えが変わっていて、新しい楽しみ方ができました。
こういうことがあるから、ときどき再読するのは面白いですね。