ブックワームのひとりごと

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元軍人の菓子職人が劇作家と出会う 野村美月『アルジャン・カレール 革命の英雄、或いは女王の菓子職人 上』感想

アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉 (ファミ通文庫)

『陸と千星』のあと、もう少し野村美月の読み切りが読みたいな、と思ったので電子でぽちっと買いました。

honkuimusi.hatenablog.com

 

 

あらすじ

革命のあと、再び女王が政権を取り戻したフロリア。万年スランプな劇作家のオーギュストは、小さな菓子屋を見つける。そこにいたのは、菓子職人アルジャン・カレール。オーギュストは、アルジャンの菓子屋に通い始める。

 

甘いものが食べたくなる作品

 まず、出てくる甘いものがおいしそうで楽しいです。

実際に食べた味だけでなく、作り方やそれを作った経緯も含めて、おいしそうだと思える描写でした。

単なる飯テロではなく、きちんと「おいしさ」が物語に反映しているのがよかったです。食べ物描写はやればいってものではないんですよ!

登場するお菓子には、モデルとなった時代にはないお菓子も含まれているようですが、そういう細かいことを気にせずに読めるパワーがありました。

読み終わってからおいしい紅茶とケーキを食べたくなる、リアルに影響してくる物語でした。

 

ロクサーヌがかっこいい

ヒロインのひとりである女王、ロクサーヌがかわいいだけではなくかっこよくて、しかもなかなかいい根性しているところが最高でした。

ロクサーヌは、「自分は贅沢が好き」だということを語ったあとで、こう述べます。

「ぜいたくな暮らしをしたいと願うのは、罪かしら? 王侯貴族がギロチンにかけられたのは、贅沢を独占したからよ!」

みんなが豊かになれば、自分も豊かになってもいい。そして国を豊かにすることが、ロクサーヌの国民に対する贅沢の償いなのです。

 ロクサーヌが言うことは貧困層の生活の底上げです。「弱者は守るべき」という意見から少し踏み込んだところがよかったです。

 

まとめ

おいしそうなお菓子描写と、ロクサーヌの独特の魅力が楽しい作品でした。

下巻も購入したので、また読もうと思います。

 

 

 『陸と千星』も面白いのでよろしく~。