ラジオドラマになったときいて、時砂の王を聞いていました。
NHKラジオに聞き逃し配信があるのを初めて知りました。べ、便利……。
あらすじ
他の星からやってきた侵略者を倒すために生まれた、メッセンジャーのオーヴィル。彼らは時間遡行の能力を身に着けたETを殲滅するために過去に飛ぶ。しかしそれは、終わらない戦いの始まりだった……。
オーディオドラマでしかできないオチ
ラストシーンは、オーディオドラマでしかできないオチになっていて、そこがすごく粋で良かったです。
キャラクターの顔が見えない音声だからこそ、あのエンディングが映えます。こういう音声のみのつくりを逆手にとって物語を書いていくの、最高ですね。
物語にはかなり改変がかかっているけれども、あまりそれを意識せずに聞けました。そのくらい改変部分が自然でした。
原作のストーリーをなぞりつつ、オーディオドラマとして違和感のない脚本にしていくという能力の高さ、参考にしたいです。
山本雄史という名前、憶えておきたいです。
オーヴィルの悲恋
この作品は原作と違ってオーヴィルにとっての時系列通り進むため、オーヴィルの悲恋をじっくり楽しむことができました。
基本的に硬派なストーリーなんですが、ところどころにユーモアや、ウエットな感情が発露していて、そこにグッときます。
人類がめちゃくちゃ迷惑かけてるのに、人間に「忠誠心」を持ち続けるオーヴィルはけなげです。そしてその忠誠心が、ひとりの女性をきっかけに生まれたものだと思うと、なんだかせつなくなってきます。
最後はとても悲しいけれど、希望の残る結末でした。彼のやったことは、決して無駄ではありませんでした。
まとめ
ラジオドラマをじっくり聞くのはほぼ初めてでしたが、すごく楽しめました。
また、興味があるプログラムがあったら聞いてみたいですね。