ブックワームのひとりごと

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恋愛とは距離を置いたアイドル青春もの―石川博品『メロディ・リリック・アイドル・マジック』感想

メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫)

今日の更新は『メロディ・リリック・アイドル・マジック』です。

表紙が華やかでかわいいですね。

 

あらすじ

立春日高校に入学した吉貞摩真(よしさだ なずま)。彼は音楽を聴くと、幻を見る体質だった。マネージャーは音楽を聴かなくてもいいらしいという不純な動機から、尾張下火(おわり あこ)と、飽浦(あくら)グンダリアーシャ明奈(はるな)とともに、アイドルステージを目指す。

 

 

恋愛には距離を置いた青春アイドルもの

男がかわいい女の子とキャッキャウフフする内容でありながら、実際には恋愛とは距離を置いているところが読みやすかったです。

音楽を聴くと謎の幻に悩まされるナズマは、不純な動機でマネージャーとなりますが、次第にアイドルという存在に引きつけられていきます。

彼がアコの秘密を知ったとき、とった行動は、恋愛感情ではなく、憧れや信頼から来ているのがさわやかで好きでした。

もちろんこのふたりがそういう関係になってくれるのもやぶさかではないのですが、続刊が出ていないので、無理かな……。

 

ナズマの友人クニハヤの、過去の後悔や苦しみ、アコとその母親の不和など、サブキャラにもさりげなくスポットライトがあたっていて、そこも面白かったです。

こういう、脇役に設定がある話は大好きです。

 

反面、かなり文体に癖があるのでそこは評価が分かれそうです。

「アコチンがあの両親のかけらもない歩く死神どもと縁を切っていてよかった。一度悪の道を走った人の方が本当の善人になれるんだよ」

「うん(何かコイツ、DV男みたいで怖いな……)」

(P57)

終始この調子で、かっこで自己ツッコミが入ります。

しかし、私は読んでいるうちに慣れました。受け入れられればリズミカルで楽しいです。

 

まとめ

かなり癖はあるものの、全体としてはさわやかな青春ものです。どの層におすすめしていいのかはいまいちわかりませんが、個人的には好きでした。

 読後感のいい、楽しい読書時間でした。