ブックワームのひとりごと

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物語に見るそれぞれの家族のかたち 家族小説おすすめ10選

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今日の更新は、家族小説のおすすめまとめです。家族というしばりなだけでジャンルがばらばらになってしまいましたが、どれも好きなので読んでもらえると嬉しいです。

 

 

 

 

 『有頂天家族森見登美彦 幻冬舎文庫

京都に住む狸の四兄弟を中心に、ドタバタ劇を展開する現代ファンタジー

お祭り騒ぎのような楽しい作品です。「いい話だった……のか?」という少しずれていて、でもあたたかいストーリーが面白いです。

作品に登場する京都の風景も、行ったことがある人ならにやりとできます。また京都に行ってみたくなる作品です。

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

 

 

 『キッドナップ・ツアー』角田光代 新潮文庫

別居している父親に「ユウカイ」された少女の、ひと夏の思い出を描く作品。

非日常のわくわく感があふれる作品です。誘拐なのに誘拐らしくなく、父親との旅行の様相になってくるところがユーモアがありました。

少しだけ垣間見える、大人たちの微妙な感情の揺れ動きも、さりげなくかつ切なかったです。

キッドナップ・ツアー (新潮文庫)

キッドナップ・ツアー (新潮文庫)

 

 

 『きらきらひかる江國香織 新潮文庫

アル中で情緒不安定な妻と、ゲイの夫。その奇妙な結婚生活を描く。

今が幸せなのに、周りには認めてもらえない。性的関係のない結婚生活は、こうも認めてもらえないのか、と思わされます。

世間の常識から少し外れたもの同士が、なんとか生きていこうとする結婚小説です。

きらきらひかる (新潮文庫)

きらきらひかる (新潮文庫)

 

 

『カラフル』森絵都 文春文庫

生前の罪により輪廻の輪から外された「ぼく」は、再挑戦のチャンスとして自殺した中学生に乗り移る。はたして自分の罪を思い出すことができるのか……。

ユーモアがあって暖かい話です。「ぼく」は他者の目で人生を過ごすうちに、すでにあった幸せについて気づいていきます。その過程がほっとします。

「ぼく」をやり直させた天使のプラプラが、天使らしくないところも好きです。

カラフル (文春文庫)

カラフル (文春文庫)

 

 

 『天盆』王城夕紀 中公文庫

「天盆」というボードゲームで立身出世する国。大家族の末っ子凡天は、天盆の才能でのし上がっていく。

全員血のつながらない家族が登場する話です。それぞれが非常にキャラ立ちしていて、読んでいるだけで楽しいです。

凡天を中心に、助け合いながら生きていく大家族が素敵でした。

天盆 (中公文庫)

天盆 (中公文庫)

 

 

 『神様家族』桑田由一 MF文庫J

神様の一族に生まれたことから、何でも願いが叶ってしまう佐間太郎。そんな彼が恋をして……。

設定としてはファンタジーですが、思春期の葛藤や自分自身のアイデンティティを求めていくところは青春小説です。

人間臭くて愉快な神様たちがわいわいしているのは、見ているだけで楽しいです。

 

 『流星ワゴン』重松清 講談社文庫

仕事も家族関係も上手くいかない主人公は、不思議なワゴンに乗って若いころの父親に会う。

父と息子、男同士の家族関係特有の気恥ずかしさや、上手くいかないもどかしさを描き出した作品です。

明るい話ではないですが、少しだけ頑張ろうと思える小説でした。

流星ワゴン (講談社文庫)

流星ワゴン (講談社文庫)

 

 

 『鏡の中の少女』スティーブン・レベンクロン 集英社文庫

もっと痩せたい……。拒食症に陥った少女の苦しみを描いた作品。

主人公の「家族」への思いに共感しすぎてめちゃくちゃ泣いてしまいました。

ごく普通の家庭に生まれていても、傷つき病んでしまうことはあります。そういう意味で、「普通の家族」というものはどこにもないのかもしれない。そういうことを思った作品でした。

鏡の中の少女

鏡の中の少女

 

 

 『タッチ』ダニエル・キイス ダニエル・キイス文庫

事故により、放射線被爆してしまった夫婦。妻は妊娠しており……。

放射能への偏見や差別が生々しいです。そして、その中でも手を差し伸べてくれる人がいるのに救われました。

突然変わってしまった周囲の反応に苦しみながらも、どうにか生きていこうとあがく夫婦の話です。

タッチ (ダニエル・キイス文庫 15)

タッチ (ダニエル・キイス文庫 15)

 

 

 『ブレイブ・ストーリー宮部みゆき 角川文庫

両親が離婚する運命を変えるため、亘(わたる)は異世界へと旅立つ。

登場する大人たちがずるくて、弱くて、それでいて「大人っぽい」のがリアルでした。でもそれを責めるというより、「そういうもの」として突き放しているところが読みやすかったです。

子どもから見た親のずるさが、印象的な作品でした。

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

 

 

 まとめ

家族小説おすすめまとめはいかがでしたでしょうか。

気になったものがあれば、どんどんチェックしてもらえると嬉しいです!