ブックワームのひとりごと

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女性不在の恋愛小説が興味深い―貴子潤一郎『12月のベロニカ』感想

12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫)

今日の更新は貴子潤一郎『12月のベロニカ』です。

一巻完結のライトノベルを探していて見つけた作品。

 

あらすじ

「ベロニカの騎士」という十三人の騎士に選ばれた「私」。彼らは女神を降ろす少女「ベロニカ」を運ぶ役割を持っている。だが事件が起こり、一行は困難のさなかにあった……。

 

女性不在のラブストーリー

この作品でびっくりしたのは、女性が必要最低限しか出て来ないことです。

ヒロインはただ設定とせりふがあるだけで、キャラクターとして掘り下げられることはほぼありません。聖女のテンプレみたいなキャラです。

しかし、それでつまらなかったかというとそんなこともないんですよね。むしろ女性が必要最低限しか出て来ないことによって、話の筋がわかりやすく、テーマがはっきりしたと思います。

この作りは面白いというより興味深いです。こういう作劇方法ができるんだな……。

 

ストーリーの中のギミックは、ベタではあったけどきちんと伏線が回収されていて面白かったです。

詳しく話すとネタバレになってしまうので避けますが、最初わかりにくいな? と思ったのも計算のうちなところがよかったです。

 

一方で、キャラクターのつくりや設定がめちゃくちゃ古いので、そこはかなり好みが分かれると思います。少なくとも、感情移入はしにくいですね。

女の子たちがただの舞台装置なところも、欠点と言えば欠点だし……。

 

まとめ

面白いというより興味深い作品でした。好きとか嫌いとかではなく、参考になりました。

ただ、好みは分かれるタイプの作品だと思うので、気軽におすすめはできないですね。