今日の更新は君影草『はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児』です。
AmazonPrimeリーディングで読んだ作品。
あらすじ
幼いころからおかしな行動があった息子。彼は検査によって発達障害だと判明する。そして、知能が平均より低い知的ボーダーだということも。しかし、療育手帳が取れないため、福祉サービスが受けられない。助ける人のいない親子の放浪が始まった……。
憔悴していく親の姿がつらかった
知能がやや遅れているけれど、話は通じる。しかし困りごとはたくさんある、というやっかいな現状。
で、これは発達障害の特徴なんだけれど、部分によってかなり知能指数に差が出るんですよね。この息子も、選択問題ならテストで90点くらいとれていますから。
部分的にできるからこそ「怠けているんじゃないか」という疑いの目を持たれてしまう。その苦労はよくわかります。
障害だということがわからない段階では、憔悴していく親の姿はつらかったです。
著者の夫が、赤ちゃんの口をふさいでしまうところはめちゃくちゃ怖かったです。なかなか泣き止まなかった彼を黙らせようとしただけなんですが、ぞっとしました。もし止めるのが遅かったら、虐待として騒動になっていたかもしれません。
おそらく多くの親たちが、虐待と紙一重のところを歩いているのだと思いました。虐待しなかったのは、たまたま周りに恵まれていたとか、育てやすい子だったとか、そういう理由なんじゃないでしょうか。
ある意味、この作品の絵柄がゆるい感じでよかったかもしれません。もっとがっちりした絵柄だったらもっと苦しかったような気がします。
そんな息子が、嘆願によって特別学級に入ることを許されたときにはほっとしました。
紹介されている特別学級のカリキュラムも面白かったです。電車に乗る練習をするんですね。
苦難の中でも、「息子自身はどうしたいか」という視点を持って、特別学級のある学校を一緒に探していくところも偉いと思いました。助けてもらっても、丸投げはしないところがかっこよかったです。
まとめ
かなりハードな内容も含みますが、あきらめずに奔走した結果が出て内容的にはほっとしました。
これからも大変だろうと思いますが、ときどき休みつつ頑張ってほしいです。
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発達障害の人の世界を知るイラストエッセイです。