ブックワームのひとりごと

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似たような展開が多くてちょっと飽きた―梶尾真治『おもいでエマノン』感想

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おもいでエマノン (徳間文庫)

今日の更新は、梶尾真治『おもいでエマノン』です。

何のセールだったか忘れたんですがKindleセールで買ったもの。

 

あらすじ

地球に生命が誕生してからの、すべての記憶をもっている女性「エマノン」。彼女はいつもどこかを旅している。エマノンがすれ違った人々が語る、彼女のひととなりとは……。

 

 

似たような展開が多かった

好きだったのは「とまどいマクトゥーヴ」です。神月という、超能力を持った男がエマノンに求婚する話です。

自分自身の都市を築いた神月はエマノンにこう語ります。

これだけ社会が加速度的に変化していくと、その中の個体は自己に与えられた専門分野以外は何もわからないという状況に追い込まれてしまうはずなんだ。そうすれば無限に近い価値観が生まれてくるだろう。

(ロケーション4753)

彼はそんなブラックボックス化した人間社会を、どうにか御そうとしますが……。

神月はかなりむかつく男なんだけれど、最後まで読むと、こうなるしかなかったのかとかわいそうになります。でも、これが彼の役割だったんでしょうね。

自分の役割に悩み、あがいた人の物語でした。

 

作品全体の話をすると、どの話も雰囲気が似てるので、一冊で結構満足してしまいましたね。

エマノンが不思議な能力のある人に出会う→それと別れる、というストーリーラインになっているものが多いです。

しかも相手が死んで終わるものが多い多い。

せっかくなら、もう少し作品ごとにストーリーに変化があってもよかったと思います。

 

まとめ

不満は多少ありましたが、まあまあ楽しめました。

 同作者をまた読むとしたら別の作品ですかね。

おもいでエマノン (徳間文庫)

おもいでエマノン (徳間文庫)