今日の更新は、『ねこあつめの家』です。
結構面白いと聞いて気になっていた作品。
あらすじ
スランプに陥った小説の佐久本は、占い師の勧めから逃げるように片田舎に引っ越す。そこは、猫がやってくる家だった。やってくる猫を眺めながら、迷走する連載作品を、編集者と一緒になんとか書き上げようとするが……。
佐久本の生きづらそうな人格にぎゅーっとなる
まず、猫はそれほど出て来ないので猫を期待して見るとちょっとがっかりすると思います。
あくまで猫はサブ的な要素で、どちらかというと人間ドラマの話です。
出てくるキャラクターはみんな優しいけれど、厳しいことを言ってきたり、無神経なことを言ってきたり、優しいからといって思い通りにはならないところがいいと思いました。
暖かいけれど緊張感がないわけではない塩梅が好きです。
それと、小説家の佐久本が、いい人けれど生きづらそうなキャラクターだったのが心にぎゅーっと来ましたね。
お金がないのに高い猫缶買っちゃうところとか、家賃滞納しちゃうところとか、絶妙な生活力のなさがリアリティあって他人ごとではなかったです。
そんな佐久本に期待して、疲れて……ということを繰り返すミチルはかわいそうでした。でも、ミチルは彼に救われたからこそ、放っておけないんでしょうね。
うっかりすると共依存になってしまいそうな関係でしたが、最後には少し前向きに終わってくれてよかったです。
ねこあつめ要素は前述したように補助的な要素なんですが、ところどころに原作のネタが組み込まれていて面白かったです。
おもちゃはゲームに出てくるものがモデルだし、佐久間がアルバムを作って猫を記録するのもゲームのまま。
当たり前なんですけど、ちゃんとゲームをプレイしてから作っている映画なんですね。
設定の細かい部分にはツッコミどころがあるし(あんなに猫を集めて苦情が来ないのかとか、小説家としてアナログすぎるだろうとか)、完璧な映画ではないんですが、見終わってしみじみ「良かったな」と思えました。
心がすさんでいるときに見ると、ほっこりできる映画です。
まとめ
しみじみ「好きだなあ」と思う映画でした。
粗がない作品ではないんですけれど、私はこの作品の人間観がとても好きです。見てよかったです。
生きるのが辛かったり、最近疲れていたりする人におすすめです。